ある日、友人にそのアイドルグループのライブに興味があるから一緒に行きたいと言われ、そのライブのチケットを買って一緒に行くことになった。
自分としては、自分が好きなものに友人が興味を持ってくれることを非常に嬉しく思いつつも、こういうのを布教する場合は一方的に色々教えると相手にとっては不快なので、必要最低限の情報(たとえばそれがゲームなら1作品貸すとか、アーティストならベストアルバムを1枚あげる程度にする)だけ与えてそれ以上は決して多くを語らず、本人自身のペースで勝手に掘り下げてもらい、聞かれたことだけを答えるようにしていた。
時は過ぎてライブ当日。
自分は物販目当てで早朝から現地入りしており、友人とは開場直前に最寄り駅で待ち合わせる約束でいた。
物販を回り、同じく現地入りしていた他の友人にも挨拶し、談笑し、いよいよ友人を迎えにいくことに。
最寄り駅で落ち合った友人は「過去のライブをYouTubeで見て予習してきた、ライブ慣れしているし大丈夫」と言っていた。
これなら大丈夫だろうと現地に入った瞬間、友人は顔色を変えた。
大声で言い出す友人。
たしかにドルオタなので捉えようによっては気持ち悪い。でもそれを直接声に出すのはあまりにデリカシーが無いのではと耳を疑った。ハゲに直接ハゲとは言えないし、デブに直接デブとは言えない。
何より、過去の映像を予習してきたのであれば、ファン層はある程度予想できていたのではないだろうか?
動揺しつつも、一度離れるべきと判断し、会場から少し離れたベンチへ移動し、そこで開場を待つことにした。
待ってる間に友人は更にとんでもないことを言いだした
「(アイドルグループ名)のライブの映像見てたんだけど、(メンバーA)って嫌いなんだよね。(メンバーB)は好きなんだけど一緒にいるAの●●が嫌い」
と言い出す。
周辺を見渡すと、すぐ数メートル近くの聞こえる範囲に、Aのグッズをつけている人がいる。
「いくらなんでも現地でそれを言うのはデリカシーが無いよ、密室で口頭で俺に言うならまだ良いけど、それを好きな人だっているわけだし、第一俺がそれを好きだったらどうするの」と言った。
事実、自分の中ではAはメンバーの中で1番と言わなくとも、2,3位には入っていたので、その一言にものすごくショックを受けた。
友人は
「でも嫌いなものは嫌いなんだもの、会場外だしいいでしょう」と悪びれる様子もない。
たしかに友人の言う通り、Aはアクが強いので、言うこともわからなくはない。自分も最初はAを見た時「なんだこいつ」と思った。
だが、自分はハマっていく過程でそこを上回る魅力がAにあることを知っていった。
それを真向から否定されて、頭をハンマーで殴られるかのようなショックを覚えた。
反射的にAの魅力について伝えようとしたが、それをやったところで結局ただのオタクの戯言なので、押し黙って
「……でも、会場周辺にいるファンもいるんだから、それは二度と言っちゃダメだ。俺に言うならまだいい。でもここでは絶対に言わないで」と言うだけに留めた。
ふと、気になってAのグッズをつけているオタクの様子をちらりと見たら、顔がひきつっていた。俺は心の中で謝った。
結局ライブそのものは楽しかったが、自分は最初から最後まで友人の様子は見なかった、見たくなかったのだ。
音楽を趣味とする友人は、合間合間にちょくちょく他のライブやフェスとの比較をして
「(他の音楽グループ)や(フェス)ならこんなんじゃない」「演出が過剰」「ノリが怖い」などと言っており、それを聞き流しつつも、
「連れてこなければよかったなあ」と思い、最後までライブに集中できないまま終わってしまった。
あれから数ヶ月悩んでいる。
連れてこないほうが良かったのは事実だ。
「興味がない」「思っていたのと違った」で終わるならいい。
だが、興味を持ってきたのはあっちだし、ちゃんと現状を把握しているかのようなことを言っており、その上でのあの発言である。
自分の好きなもの、人生で大事にしたいし、コンテンツが終わる時が来ても、人生の思い出や糧にしたいと思っていることを真っ向から全否定されたかのようで、非常に強いショックと憤りを覚えた。
正直、言われた瞬間にその場で怒って帰そうかと思った。
たかが趣味なのでどうこう言われても気にするべきではないのか、あるいは趣味を全力で否定し、デリカリーのないそいつとは友人をやめるべきなのか。
うんちぶりぶり
1.私見だけどドルオタは「嫌いなものがあってもそれが好きな人の前では黙ってろ文化」が強いが普通音楽好きは「嫌い発言や比較も批評のうち派閥」がそれなりにいる つまり元増田の...
趣味を否定されたくらいで動揺しているのは精神的に幼稚だから