2018-03-03

外見至上主義

「人は外見じゃなくてやっぱ中身だよね〜」なんていう友達

スタバラテを片手に「うんうん、わかる〜」なんて適当に相槌を打ちながら

「んなわけあるかバーカ」って心の中で舌を出した。

いやいや、何言ってんだ人間は大半が見た目だよ。

中学生の時、親の都合で転校をした。

新しい学校自己紹介をした時「ぶっさwww」なんて声が飛んできた。

見事、お友達作りミッション失敗。

しかにあの頃の私はお世辞にも可愛くなかった。

いや、別に整形したわけじゃないから今も大した顔はしていない。

でもあの頃の私は特に容姿に気を使っていなかった。

周りの子教室ファッション誌を囲んだり原宿に繰り出しておそろいの服を買ったりキャンメイク化粧品メイクを覚えたりし始めた頃、私は自分他人から見てどうかなんて考えたこともなかった。

そういうことをくだらないとすら思っていた。

髪は子供の頃から行っていた千円カットだったし、くせっ毛のまんま、服はユニクロばっかりだったし、まだ化粧水だって塗ったことがなかった。

友達も出来ず、いわゆるスクールカーストの最底辺で生きていた。

廊下ですれ違えば私を笑うヒソヒソ声があちこちから飛んできたし、大して話したこともない隣のクラスの子から気持ち悪いって言われていたし、グループを作れば私だけが溢れたし、私にだけ配布物が回ってこないみたいな地味な嫌がらせはたくさんされたし

それもこれも私は何にもしていないのになんで仲間外れにされるんだ!なんて思っていた。

そうして転校してから2ヶ月くらい経って私は学校に行かなくなった。

学校をサボって近くのゲームセンター時間を潰していたら、別の中学サボり組の女の子に声をかけられた。

学校つまんないから行くのやめたって話をしたら、じゃぁ一緒に遊ぼうよって誘われて、2人して学校をサボってはその子の家で漫画を読んだりくだらないお笑いDVDを見たり、学校の嫌いなやつの悪口大会をしたりして遊ぶようになった。

ある日その子に初めてヘアアイロンを貸してもらった。

あっという間に私のくせっ毛が嘘みたいにサラサラでまっすぐになった。

透明のマニキュアを塗りあいっこした。オススメの安い化粧品を教えて貰った。流行りのモデルが着てるのに似た服をしまむらに買いに行った。

膝下まであった制服スカートは怒られないようにギリギリ膝上くらいまで短くして、リボンをちょこっとだけ緩くした。

毎日化粧水を塗って毎朝髪をヘアアイロンでまっすぐにして、そういうことが当たり前になったある日、何だったか用事があって私はふらっと学校に行った。

転校した日に私に「ぶっさwww」と言ったあの子が「えっ、髪の毛いいじゃん」と声をかけてきた。

話してみたら、案外そんなに悪い子でもなかった。

つの間にか友達が出来た。

教室ファッション誌を囲んで、お揃いのヘアピンを付けて、休みの日にはちょこっとだけメイクをしてら遊びに行くようなくだらない人間になった。

自分はそうなれないから「くだらない」なんて拒絶していた世界は、なんだか楽しかった。

ちょこっと見た目に気を使うようになっただけで、世界は明るかった。

そりゃ中身だって大事だけどさ、中身がどうでもいいとは言わないけどさ、でもそう言うけど見た目が生理的に無理な人とは仲良くなろうとすら思わないでしょう?

そういうことだと思うんだよ。

私なんか中身は空っぽで頭も空っぽで、こんなくだらない文章を書いちゃう程度の頭だし、そして友達のことを心の中で馬鹿にしちゃうくらいには性格も腐ってるけど

ちょこっと髪を明るく染めて、流行りのメイクを覚えて、毎月ネイルに1万も使って

そうすればなんだか友達も出来るし彼氏も出来るし、中学生の頃ぼっちだったなんて嘘でしょって言われるように生きられるんだよ。

今も見た目に固執している自分のことを自分でくだらないなって思うし、そういう風潮のこの世界もくだらないなって思うし

多分そうやって第三者目線でくだらないななんて冷めた振りして見てる私はすごく痛い人間だと思うけど。

まぁつまり人間見た目だけそれなりになってれば中身なんかこんなクソでも空っぽでもなんか生きていけるんだよってこと。

私は外見至上主義

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