2017-09-25

世界との仲直り」が作品テーマになり始めたのはいからなのか

生きているということ

いま生きているということ

それはのどがかわくということ

木もれ陽がまぶしいということ

ふっと或るメロディを思い出すということ

くしゃみをすること

あなたと手をつなぐこと

――谷川俊太郎「生きる」

生きることだけが大事である、ということ。たったこれだけのことが、わかっていない。本当は、分るとか、分らんという問題じゃない。生きるか、死ぬか、二つしか、ありやせぬ。おまけに、死ぬ方は、たゞなくなるだけで、何もないだけのことじゃないか。生きてみせ、やりぬいてみせ、戦いぬいてみなければならぬ。いつでも、死ねる。そんな、つまらんことをやるな。いつでも出来ることなんか、やるもんじゃないよ。

死ぬ時は、たゞ無に帰するのみであるという、このツツマシイ人間まこと義務に忠実でなければならぬ。私は、これを、人間義務とみるのである。生きているだけが人間で、あとは、たゞ白骨、否、無である。そして、ただ、生きることのみを知ることによって、正義真実が、生れる。生と死を論ずる宗教だの哲学などに、正義も、真理もありはせぬ。あれは、オモチャだ。

――坂口安吾不良少年キリスト

「俺はな、この世界に招かれてない。用無しなんだよ。異世界に行きますか、イエス、ノーって、選んだか? お前は。――俺は選んでない。無断で俺はこの世界に連れてこられた。俺に選択肢はなかったし、招かれてもいないんだよ。お前たちは、招かれたんだろう? だからそうして呑気にしてられるんだろう!?

「ちがう、我々は、誰ひとりとして招かれてないのにゃ」

「お前たちがどうかなんて興味はない。だが俺は少なくとも招かれちゃいない。俺は俺の意志とはかかわりなくこの世界に連れてこられたんだ。この世界は俺を俺の意志とは関係なく、俺を勝手にしようとした。だから俺も世界勝手なことをしてやる。俺は間違ってるか、〈盗剣士〉!」

(中略)

 若者たちは産まれなおすのだ。

 理不尽強制としてこの世に生を受けた幼子は、若者となり、己の意志でもう一度生誕を決意する。

 自分が何者であるかを胸に刻み、望んでこの世界に生まれた二度目の赤子として自分自身人生を歩み出すのだ。それは神聖なる契約であり、人はそうして連なってきた。それが人をいままで繋いできた。

 にゃん太はそれを守るためならば、我が身を灰にしても構わないと思った。ロンダークがそれを知ってくれるのならば、どんなことでもしてやりたいと思った。

――橙乃ままれログ・ホライズン(Route43)」

「私の読んでいる作品では「世界との仲直り」がテーマになっているものが多い気がする」

そう書くと「それは、あなたがの内面がそのように作品を捉えるという文脈にあるからだ」という他者意見が内言として聞こえる

どうなのだろうか

以前は「救済」や「再契約」という言葉表現された“それ”が

現代においては、私においては「世界との仲直り」という形で象徴されているに過ぎないのではないだろうか

人は世界と仲良くできない

世界は時として容易に大切な人や物を私から奪っていくし

世界はすぐに過ぎ去って、私から感傷に浸る時間すら取り去っていく

そして、世界は私から様々なものを奪い取ったその後ですら、私を生かそうとする

世界は私の期待通りには動かない

世界は私の希望や願いを叶えず、ただそこにあるだけである

望むと望まざるとにかかわらず、世界はただそこにあるだけである


今日も、私は世界といがみ合いながら生きていく

小癪な世界のせいで、私は生き続けなければならない

「ただ生きるだけ」では世界の思い通りだ、負けたようで非常に悔しい

(きっと、世界の方もほくそ笑んでいるだろう。顔があるならね)

鼻を明かせるとするならば、それは自分自身世界契約するしかない

理不尽に産み落とされ、理不尽に生きろと言われたこ世界

不貞腐れながら、いじけながら

それでもただ「この世界に生きるために」という本末転倒動機から

人はこの世界と「再契約」を、「仲直り」をしなければならない

いつまでも喧嘩をしているわけにはいかないのだ

喧嘩には“限度”がある

今日も、明日も、世界とは戦争状態

しかし、今は冷戦中、もしくは休戦中である

勝利することはないのだ、恐らくは

しかし、何かを勝ち取る事はあるのかも知れない

私は明日も、ただ生きる

未明に鳥は“諦く”だろうか“噎ぶ”だろうか、それとも“号ぶ”だろうか

私を未来に繋ぐのは、彼が、そして彼女が唱えた通りに「好奇心」だろうか

  • https://anond.hatelabo.jp/20190917210016

    世界は時として容易に大切な人や物を私から奪っていくし 世界はすぐに過ぎ去って、私から感傷に浸る時間すら取り去っていく そして、世界は私から様々なものを奪い取ったその...

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