俺は、ホラーなんて見飽きるぐらい見飽きてるくらい、ホラー耐性ある人間なんだけど、
それでも怖すぎて飛び起きる夢を見てしまった。
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俺は、沖縄っぽい雰囲気の地域で飲み会に参加していた。男女10人くらい。
四角形の建物で飲んでいて、3方向の壁がガラスになっていて、3方向の外の眺めが見れる。
で、面白い飲みものがあるからと、手渡された杯が変わったものだった。
形は非常に説明しにくいんだが。この形が話の大事なところだから頑張って想像してみてほしい。
マティーニが入ってそうな、小さなグラスの上に、とあるものを乗せる。
グラス自体には酒は注がず、その上におかれたとあるものに酒を注いで飲むんだが。
そのとあるものというのが、数十本の棒を束ねて、1点でゴムで縛ったものなんだ。
ちょうど、パスタを鍋に開けるときに、パスタを同心円状にバラッと開くと思う。そのような形なんだ。
パスタを同心円状に開いたら、どこかの1点ですべての棒が接するだろ?その1点をゴムで止めている形だ。
つまり、そのパスタを束ねたみたいにしたものを、小さなグラスの上にのせるわけだ。
で、その同心円状の棒の束でできた『グラス』にお酒を注いで、飲む。
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それで、当然飲みにくい。
ゴムで止めているけど、棒自体はゴムで止めてるだけだし、酔ってくると棒が上下にずれたりして、だんだん杯の形を保つのが難しくなる。
ちゃんと、棒の下にあるグラスにお酒を注げばいいのだが、棒のほうに注いでいるために、手の力が入れにくいのだ。
そうこうしてる内に、このグラスについての迷信を教えられる。
「この棒でできたグラスを壊さずに飲み会を終わらせられないと、自殺しちゃうらしいよ。
実際に、このグラスを壊した人が、自分で自分を切りつけて自殺したらしい」
ふ~んと思ったけど、もうすでに棒のグラスはゆるゆる。
で、案の定壊れてしまった。棒がゆるゆるだったのが、外れてしまって全部とれた。
壊れたその状態が異常だった。
棒が数十本バラバラになったのはわかる。
本物のグラスがおかれるのもわかる。
しかし、それに加えて、「10個ほどのスマホ(Xperia)みたいな黒くてツルツルした板」が出てきた。
どこに入っていたんだ?と思う。その1枚には、思い出せないが赤い文字で何か4,5文字くらいの怖い言葉が書いていた『自殺しろ』みたいな。
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で、これはどうしたものかと思ってると、周りが騒ぎ出す。
これは大変なことになったぞと。
俺としては何の危機感も無い。こんな適当なもの、壊れるに決まってるじゃんっていう。
そうしたら、50代くらいのおばちゃんや、70代くらいのおばあちゃんみたいな人たち、つまりこの土地の風習とかこの杯の作り方とか知ってる人が呼ばれた。
どうしたらいいかわからないが、もう一回組み立てて、飲み会を完遂させようということになった。
どうやってスマホを織り込んだのかわからないが、また棒を組み立てて、元のようなグラスになった。
おばちゃんたちは、「気をつけなさいよ」という。
正直、迷信じゃねーかって気分。
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その後も、ある程度飲み会の雰囲気は夢でもちゃんと見たいんだけどさ。
所司さんっていうオジサンが、「俺のこと知らないのか?」と聞いてきたと思う。俺は将棋プロの所司和晴じゃないよな?とか思っていたが誰だか知らなくて返答はごまかした。
まあ、それはいいんだけどさ。
そんで、明け方になって、じゃあもう飲み会終わろうって段になった。
いやもうこの時には、杯はまた棒がほぼゆるゆるの外れかけ。
でも何とか終わったねって。
一緒に飲んでた男の1人とソファーに座って、「お前ちょっとビビってただろー」みたいな話をしていた。
で、いきなり怖いことに気付いた。
その1方のガラスの手前に、明らかに飲み会に居なかったスンゲーかわいい女が、胸をさらけ出して座ってるの。
「誰だよ?」って周りに聞いても、誰も見えてない。
俺が、その棒の杯の儀式みたいなのをやっぱり失敗したんだということを周りが察する。
その人達は、物凄くでかかったり(でかすぎてガラス張りからは胸までしか見えない)、普通の身長だったり、小さかったりだが。
兎に角ものすごく多くの人がグルグルと建物の周りをまわっている。
早すぎて見えてない人も大量にいるみたいで正確な人数はわからない。ゆっくりだったり、普通の速度だったりと歩くスピードに差がある。
そいつらが、全員俺を見ている。
俺はもうパニック寸前。
これからどうなるんだ。と。
自殺するって話じゃなかったのか?と。
なんで取りつかれてるんだと。
其のうちの2人の幽霊だかなんだか知らない奴等、女が2人、壁をすり抜けて俺の方に向かってくる。
俺はとっさに、近くにあった鉛筆をもって、その幽霊っぽい奴を刺した。
その瞬間、俺の腕に痛みが走った。幽霊を刺したはずなのに、おれが傷ついている。
しかし、幽霊みたいなのが襲ってくるのも怖いので、さらに3回、鉛筆で切り付けた。
すると、その都度、俺のからだが鉛筆でぐさぐさと切り裂かれるような痛みが出る。
もしかして、俺は幽霊を攻撃していると感じているが、現実の俺は自分自身に鉛筆を突き立てて切り付けてるんじゃないか?
だから、この儀式に失敗した奴は『自殺した』と言われるんじゃないか?と背筋が凍る恐怖が突き抜けた。
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怖すぎてしばらく動けなかった。