地獄の絵を描きたいからといって、娘を車に乗せて焼き殺してはならない
驚いた人の写真集を作りたいからといって、道行く人に向けてクラッカーを鳴らしまくることがあってはならない
それは表現の自由に優先する
そこで行くと、例のJK絵は黒寄りのグレーだと思う
しかし、「いやらしい目で長時間見ていたのだろう」「盗撮をもとに絵をおこしたのかも」というのは想像と可能性の話だ
壱川氏が周りの人や警察に「お兄さん何やってんの?」と言われていたらその時点でこの絵はブラックだったが、
幸か不幸かそんなことにはならなかった
制服から学校と地域を特定可能なように描き、絵に対してなのかモデルの子に対してなのかはっきりさせずにきわどい感想を寄せる
これはとてもまずい
実際、壱川氏の絵のモデルになった子たち、そして周囲の人たちが彼の視線を感じて不快になったかどうかはわからない
しかし、仮に今、彼女たちが壱川氏の内心を知ってしまったら、過ぎたことだからと不安に感じずにいられるだろうか
「ここに数日前不審者が来ましたが、何もせず不審だっただけで終わりました。良かったですね」
と言われてもまったくよろしくない
そこに不審者がいたことに気付けず、自分がまったくの無警戒で何の準備もしていなかったことを
アパート退去時に、大家さんに「隣の部屋にはどんな奴が住んでるんですか? 深夜に大音を立てて……」
と言ってみたら、「隣はずっと空き部屋だよ」と言われたような、ゾッとする気持ちになるかもしれない
そんなことを言っても、女子高生をいやらしい目で見てしまう男なんていつだってそこら中に歩いているわけだが、
しかし、意識せざるを得ないようなことを壱川氏は言ってしまった
「男はみんな女子高生をエロい目で見ているよ」という抽象的な話なら、まぁそんなものかと気に留めずにいられる
しかし、壱川氏の絵には時と場所、そして人に関して特定してしまえるような情報が少し多すぎた
壱川氏の「無警戒」という女の子への感想が「カモだ」という意味だったとは思いにくい。実際何もしていなかったのだから
しかし、悪意のある人がそのように解釈し、その場に行ってみようと思うかもしれない
何しろ、ネット上にあるものは本当に、思いもよらぬような数の、多種多様な人が見るのだ
その、「かもしれない」がどの程度の確率なのかはまったくの未知数で、当事者にとってみれば不安に思うには十分だろう
彼女たちがこの騒動に気付いたと決まったわけではないので、ここまでの話は仮定にすぎないが、
私たちは凌辱ものエロ漫画を読もうがリョナ系エロ漫画を読もうが、
「これは架空の世界、架空の人物の話だよってこの悲しみも怒りも実在しないのだ」ということを理由に
安心して後ろ暗い欲求をぶつけることができた
また、男は欲求をこういうところで発散させていて、こういう物をなくすのはむしろ危険だとも言ってきた
しかし、壱川氏はそれを真っ向から否定するような行為をオタクではない人たちに示してしまった
実在の、ただの一般人を架空のキャラクターと同じように扱ってしまった
萌え絵を描くために(萌え絵が原因で)女子高生をじっと観察してしまった
もう本当に、壱川氏は余計なことを言わなければよかったのだ
見たままを描くべきではなく、何かのキャラクターに置き換えたりすれば良かった
嘘でもいいから、「特定防止のために髪型や制服を変えてあります」と言ってほしかった
絵に注釈がなければ、「ただかわいいと思ったから描きました」と言い訳できた
なんの気なしに隣の座席に座っただけで「座って来た」「無警戒」と認識されるのかなり怖い。 子供に「知らない男の隣には座っちゃいけません」「男が何を見ているか警戒しなさい」...
キモいおっさんは昔から写メとられて晒されたりしてたんですが 今更なに言ってるの?