2015-10-04

なぜMMORPGは衰退し、ソシャゲは隆盛したのか(私見)

時間がかかりすぎるとか、同じコンテンツを延々と回らされるとかは、もはや散々言われているので割愛する。

ここで取り上げるのは、「プレイヤーの大多数がアタッカー志向にも関わらず、ゲームシステムがそれを許容しない」という問題である

MMORPGに限らず、ゲーム楽しいのは攻撃し、ダメージを出す瞬間である

現実世界でもそうだ。ガキんちょのサッカーで人気なのはFWMFで、DFGKをやりたいという奴は少数派だろう。

ちょっと前ならイナズマイレブンで少しは人気になったかもしれないが。

そういうわけで、プレイヤー多数派は、とにかく攻撃したくてその世界に降り立つのだ。

回復したいからではない。補助したいからでもない。

こう言うと「いや俺は○○好きだったよ?」という意識高い系が現れて反論してくるのだが、

そういう輩は掲示板には出てきても、ゲーム内の募集はいつまでたっても来てくれない。

しかも、アタッカーというのは気楽である基本的攻撃さえしていればいい。

それ以外の仕事他人に任せて、美味しいところを独り占めできるのである

回復ちょっとサボると仲間が死ぬ。盾役はパーティの中で最も高級な装備を求められるし、責任も極めて重い。

仲間を守りたいという勇者志望もいるが、彼らがメジャーになれないのは、このプレッシャーに耐えられないからだ。

しかし、そうして降り立ったプレイヤーたちは、仮想世界現実を思い知らされることになる。

MMORPGシステムは、アタッカーだらけのパーティを許容しない。

例えば、1つのパーティに4~5人いるとすると、盾役のタンクが1人、回復するヒーラーが1人以上、タイトルによっては

補助担当バッファー(こいつは延々仲間に強化を回すだけでちっとも楽しくないので、最近では減っている)が必要になることが多い。

だが彼らの人気は低い。パーティ募集をすると、アタッカーの枠が即座に埋まって、延々と残りの募集をするハメになる。

ドラクエみたいに4人の枠に僧侶が2人という編成もあるが、まことキチガイじみた話だ。

逆に、プレイヤー志向に合わせてパーティを組むと、ほぼ間違いなくアタッカー過多のタコ殴り戦術に落ち着くが、

それでは序盤の敵は倒せても、それ以降の敵には通用しない。

上を目指すならば、その時点で優遇されているクラスで、かつ強い装備を持っている層がアタッカーを独占し、

残りは嫌々アタッカー以外に回らなければならない。

ちょっと歴史の長いMMORPG新規がなかなか入らない理由もここにある。何年下積みしたらアタッカーに回れるのかわかったもんじゃないからだ。

これはオートマチングシステムが導入されても同じことで、タンクやヒーラーパーティにすぐ参加できるのに対し、

アタッカーの待ち時間はどんどん延びていった。

MMORPGがこの問題に対して、無策であったわけではない。例えば、1つのクラス複数役割を選べるようになった。

しかし、問題はそもそもプレイヤーアタッカー以外選びたがらない点にあるので、大した意味はなかったように思う。

全員がアタッカーでもどうにかなるというタイトルも現れた。だがヒットしたという話は聞かない。

それが許されるのなら、MMORPGというフレームである必要自体がなくなる。モンハンでもやっていた方がマシなのだろう。

ドラクエサポート仲間は、やりたくない役割NPCに負ってもらうというシステムで、この点かなり正解に近い。

ただ、最難関のエンドコンテンツ以外はソロゲーになるという諸刃の剣でもある。

一方ソシャゲである。こちらのゲームシステムは貧弱そのものだが、それ故に殴る権利は万人に認められている。

最近になってジョブシステムなどを備えるタイトルも現れたが、それでも基本は全員攻撃である

騎士は殴りながら守り、僧侶は殴りながら回復する。それでいいではないか。

ゲームくらい気楽に殴らせてもらいたいものである

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