2014-10-23

教諭だけど高校でも40人と35人じゃ全然違う

はてなブックマーク - 財務省 35人学級を40人に戻すべき NHKニュース

http://b.hatena.ne.jp/entry/www3.nhk.or.jp/news/html/20141023/k10015624931000.html

常勤講師時代を含め、全日制・下の上レベル40人、夜間定時制20人、全日底辺校35人と授業経験がある。教科は数学

もっと細かく言うと40人クラスから進学希望者の抜けた学習意欲の少ない30人とか、定時制の30人にTTで授業とか、底辺校35人のさらに習熟度下位の15人とか、内容は様々だ。学級自体の人数編成が違うのは都道府県をまたいでいるからだろう。


あなたは「いま勤務時間じゃねーのか」と突っ込むかもしれないが、年休である


先に断っておくが、ここに書くのは上記のような比較学力の低く様々な事情を抱えた生徒のいる高校についてである。小中学校や中堅以上の進学校ではまた別の問題があるのかもしれない。自分はまだ経験不足なので見たままのことしか話せない。


記事に対し「5人くらい変わらないだろう」ってコメントもあるけどまったくそんなことない。

まず環境説明だけど、だいたい教室の中には数人ほど、集中できていない様子の生徒や、机の下で携帯を触ろうとする生徒がちらほらいて、そんな彼らにすぐに注意・指導ができるように気を配りながら授業を行っている。そんな中には授業どころではない問題を抱える生徒も少なくない。なんというか高校生はい中学校4年生みたいな幼さの子もたくさんいて、友達同士でのいざこざで情緒不安定になり机に突っ伏し、起こすと泣き出して教室を出て行くなんてこともままある。

はてな高学歴諸氏にはイメージできないかもしれない。自分高校教員になって面食らったものだった。高校ってこんなに幼い集団で、教員がそこに介入していたかなと。

そしてそんな学校では授業時間であれ、教科の指導内容以上に生徒掌握が大事だ。まず勉強しようという姿勢がなければ授業はただの音声でしかないし、そういった部分からどんどん授業はほつれていく。

そんな中で授業をする上で、5人の違いというのは本当に大きい。そこには色々論点はあるだろうがシンプルな2点から言いたい。

まず教員側として、数人の違いで生徒へのケアの可動域ががらっと変わる。5人少ないだけでこちらの目はかなり行き届くようになるし生徒の反応もこちらに届きやすい。これは人数なんかで変わらんだろうとは言わせない。なら教壇に立ってみろ。

もう一つは生徒の様子の変化だ。特に持続的な集中力に欠ける生徒、情緒の安定しない生徒は、教室内の環境に大きな影響を受ける。

今なんてまさにその時期だが、例えば文化祭の準備でもめてクラス内に少し不穏な空気が流れると、関係のない授業中にも教室にいるのが辛くなって保健室に行く生徒がいたりする。それでもその生徒も習熟度別科目で教室内の人数が減ると教室に戻れたりするのである。他にも生活全般問題がありよく教員問題を起こす生徒も、35人の教室では授業を受けられなくても30人の教室では筆記用具を持って授業に取り組んでいたりするのだ。

そんな変化が、特に学力な生徒や、家庭環境不和を抱える生徒の多く集まるような学校では顕著に現れるのである

もちろん、だからといって人数が少ない方が生徒が受ける負担が減るとは限らないかもしれない。けれどそこに対しケアが行き届きやすくなるのならそちらの方がいいだろう。

以上。これはただのぼやきだが異動したい。ずっと学力の低い高校中学校数学から数学Ⅰ、就職試験対策算数をやってきたけど、そろそろもっと数学の話をしたい。

追伸

続き http://anond.hatelabo.jp/20141024203211

記事への反応 -

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん