2011-03-28

みなさん。今年の夏は、スーツを脱ぎましょう。

地震から2週間経ちました理系の皆さんがその知識を総動員させて原発被害に立ち向かい体育会系自衛隊員の皆さんは被災した地域に赴き、身体ひとつ精神的にも肉体的にも辛く苦しい作業を行っています。そんな中、我々文系一同は、デマに流され、右往左往、一人前の罪悪感だけ抱えてすぐに忘れ「この際仕事さぼれねーかなー」なんてことを考えています。思えば、学生時代からそうでしたね。日々勉学にいそしむ理系トレーニングに勤しむ体育会系しり目に、我々は髪型や服装にうつつを抜かし、レポートを写し、酒を飲み、日々を楽しく、現をぬかしてばかりいましたね。昔からそうなのです。我々文系には、目先のことばかり考え、仕事をサボり、毎日面白おかしく過ごすことしかできないのです

原発、その他火力発電施設の被害の大きさが明らかにありつつある現在ひとつ確定的なのは、「今年の夏、首都圏では日中冷房ほとんど使えなくなる」ということであります。都会の夏に冷房を使えないということは、文字通り致命傷です。私自身、アトピー性皮膚炎を患っているものですから、そのつらさは身に沁みますですが、こんなときこそ我々は、我々文系は、楽をすること、毎日面白おかしく過ごすことを考えるべきなのです

ですから、みなさん。今年の夏は、スーツを脱ぎましょう。代わりにTシャツハーフパンツサンダルはい通勤しましょう。髪の毛はオシャレ坊主しましょう。職場BGMとして、サザンチューブレゲエミュージックを流しましょう。サマータイムブルースを、ホテルカリフォルニアを口ずさみましょう。政府のえらいさんが提唱する、シエスタサマータイムの導入を、積極的に後押ししましょう。夢にまで見た社会人での長い長い昼休みを、このどさくさにまぎれて実現させるために。そうして、長い昼休み、近くの銭湯に立ち寄り、汗を流し、コーヒー牛乳を飲みながら、高校球児を応援しましょう。ある日、海が見たいと思ったら? 鈍行電車に揺られて1時間、近くの海まで行けばいい。かき氷を食べて、足元を波にさらわれて、そうしてまた仕事に戻りましょう。企業の業績が悪くなれば、きっと有給消化を兼ねて、長めの夏休みを提案されることもあるでしょう。そのときは、少し足を延ばして、地方のおいし料理を食べにいきましょう。北海道でも。沖縄でも。もちろん、東北でも。アーパーな、享楽的な願望を、それらしいカタカナ語で無理やりに取り繕って、それを文化的な暮らしだと言い張りましょう。そうやって、今年の夏を、電気を使わず乗り切ろうではないですか。

から我々文系はアホだと言われてきました。その通りですしかし、馬鹿はないことは証明しなければならない。今こそ、我々は一丸となって、猫のピートになるのです。皆が皆が冬の寒さに凍えながら耐え忍ぶ中、お調子者の我々こそが、部屋中の扉をあけては閉め、夏への扉を探すのです。例え滑稽に見えようとも。

「よく覚えとけ。現実は正解なんだ。時代が悪いの、世の中がおかしいと云ったところで仕方ない。

現実事実だ。そして現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、なぜそうなったかという原因があるんだ。

現状を認識して把握した処理すりゃいいんだ。その行動を起こせない奴を俺の基準で馬鹿と云う。」

(「赤めだか立川談春

  • 地震が起こった週明け、余震もまだまだ発生している状態で電車のダイアも不安定。 そんな状態なのにスーツ着て革靴履いて9時に出社しようとしてる連中見てゾッとしたの思い出したわ...

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