2021-08-29

まずは自分と「彼」のスペックを記しておこう。

自分。筆者。主人格(?)。

/高校2年生

/性別にこだわりなし(身体女性)

/一人称は「自分」、伊丹と話す時だけは「あたし」、「僕」。意図的に変えているわけではなく、染み付いたクセ。

普段方言で話すが、伊丹と話すときだけ標準語になる。

/絵が人並みに描ける

/子供の頃の記憶はあるが、中学2年までははっきりと思い出せない

・偽名として、「彼」。別人格(?)。

/自分より7個上と話す(23?)

/性別男性

/一人称は一貫して「俺」

/歌を歌う。シャウトと巻き舌が異常に上手い

/子供の頃の記憶もあるが、思い出さないほうがいいと話す

厨二病全開のスペックだが、本当にこれがあるんだから恐ろしい。ちなみに彼とは11年の付き合いだ。

もう1人いるはずだが、最近は目撃情報がないので多分死んだか寝てる。

次に、そもそも多重人格とは」という事前知識の話をしよう。

多重人格とは、いわゆる「解離性同一性障害」の俗称である

そもそも解離性同一性障害は「解離性障害」のひとつに分類されており、

・解離性健忘、遁走

離人症

解離性同一性障害

と分類されるらしい。wikiそのままだ。診断書が書かれた訳ではないので、詳しい話は知らない。

この中で、自分は「健忘」「離人症」「同一性」に当てはまっている役満だ。嬉しくない。

詳しい話は省く。今回は解離性同一性障害についてだけ話す。

解離性同一性障害は、ゲーム漫画で書かれるようなものとはまず違う。そんな美談で終わらせられるほど簡単ものではない。

「何かしらのトリガーで引き起こされる」。これは、人による。彼もロックを聴いていたら稀に現れるが、ほとんどは静かだ。自分は好きな絵を見ると帰ってくる習性がある。

だが、確定ではない。あとパッキリ切り替わる事もない。「いつの間に変わってた」と言う方が正しい。

自分意思で変えられない」。これは自分の中ではノーだ。目を閉じて30秒〜2、3分経つと、身体から血の気が引いてくるような感覚を覚える。それにに合わせて、頭が飛んでいくような感覚になる。スッと意識が遠くなったら、もう変わっている。

記憶がまるきりない」。これはイエス。だが、自分達の場合はそれほど空っぽという訳でもない。目に焼き付いた景色は残っている。ただ、何をしたのかは朧げだし、思い出したとしても自分経験として至らない。勝手に誰かが作った記憶のようだ。

「顔つきや目つきが変わる」。イエスだ。家族からは目でわかると言われる。彼はいつ変わったかわかるよと言われたらしい。

声の出し方も変わる。彼は男性ででいたいので低い声を出したがる。声帯の使い方が違うのかも知れない。よくわからない。

多重人格キャラは見ていられないので特徴がよくわからないが、とりあえずはこんな感じだ。

少なくとも「バイクに乗ったら気性が変わる」と言ったような単純な変化はない。それは多重人格でもないと思う。

なぜこんな話をするのかというと、多重人格キャラはあまりにも綺麗事ばかり書かれているからだ。

最近SNSで「バニシンツイン」について書かれた漫画広告を見た。片割れ双子が死んだ場合、もう一人に憑依する事がある、という話だ。

実質多重人格はバニシンツイン同義としてもいいだろう。意識が同じ身体の中にあるんだから、ほぼ一緒だ。

というより、彼も自分の生まれる7年前に流産した男の子説がある。どうせ偶然だろうが。とりあえず多重人格も憑依型のバニシンツインも変わらないものは変わらない。

その漫画主人公としては

母親が死んだ方の双子意見ばかり聞き、自身意見蔑ろにされてとても悲しい。自分が乗っ取られているようだ」

と話している。

この時点で気持ち悪い。

少なくとも、自分身体を持たず、自分のやりたかった事もできず、ただ空虚人生を送っている彼と主人公を比べれば明らかにどちらが素晴らしい人生かわかるだろう。

人格は悪じゃない。誰も悪くないのだ。

問題はその後だ。広告では、

「その子除霊してあげようか」

と、イケメン除霊師らしき男が話しかけてくるのである

なんだそれ。

除霊

人格を殺すって言うのか?

せっかく、身体なしでも生きながらえているのに?

作者は、何も知らないのだと思った。

ニシンツインについてもそうだが、それ以上に「人格」を軽く見過ぎなのだと。

当事者からすれば、人格というものは四六時中離れられない関係にある。情が湧かない、という方が無理がある。

それを、損得だけで、切り捨てようとしている。

レビューでは「親が理解できない」という声が多いが、自分はそれ以上に子供理解できない。

どうして、同じ時を過ごした人間を殺そうとできるのか?

気持ち悪くてたまらなかった。

今、自分が「彼を消せる」と言われたら、泣き叫んで相手を殺してしまうだろう。

心の支えである人格を、どうして殺せようか?

レビューを今読んでいるが、頭の中で声が聞こえる事が「ホラー」と称されてる事にも少し腹が立った。

レビュー作者も漫画作者も、それを「エンターテイメント」として見ているからその様に話せるのかもしれないが、当事者からすればこの上ない侮辱である

自分が抱えているものホラーでもエンターテイメントでもない、

どうしようもない「リアルなのだ

それを、ただの自己満足で消費される程気持ち悪い事はない。不思議でもない、スピリチュアルでもない。そいつらの目の前に立って「私が多重人格てす」と話してみようか。

そいつらは漫画の様に崇めたてるのだろうか。

厨二病だと投げ捨てるのだろうか。

気持ち悪いと目を背けるのだろうか。

やってみたい気持ちと、自分リアルを見たくないという矛盾で吐きそうだ。

多重人格の話を書くのなら、当事者に話を聞いてほしい。

幸せでもない。不幸でもない。それは彼らにとっての「普通なのだ。健常者の物差しで測る方が間違っていると思わないか

それと、人格の年齢や性別身体と違っても、受け入れてあげてほしい。そういうものだ。そうとしか言いようがないのだ。

気にしない人格もいるのかもしれないが、彼の様にスカートを履こうとするだけで泣きそうになる、それくらい性別にこだわりがある人格もいるだろう。

そういうものだ。それさえも知らないで多重人格の話を書くのはやめてほしい。SNS蔓延る三流作家達のことだ。

最後に、漫画の話は広告を見たうろ覚えで話しているので細部が違っても許して頂きたい。即ブロしたし見返したくもない。

彼は今日はぐっすり寝ている。空も白んできた事だし自分も寝ることにする。

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