はてなキーワード: 誤差逆伝播とは
ビッグデータ解析で統計が判る奴がほしい、AIに詳しい機械学習を使える奴が欲しい。
産業界とは言わなくても、一部の経営者が言うセリフっていつも同じだ。
一瞬でブームに乗って金を集めて仕事にしてしまえば、ブームが終わるまで稼げる。
だから、絶対にそういう経営者の言うことを聞いて、将来を決めてはいけない。
いま日本に圧倒的に足りないのは人工知能に詳しい人材 - shi3zの長文日記
人材が足りないとは言うが、じゃあ具体的にどの程度足りないのか(つまり需要の絶対数だ)は言わない
例えば、大雑把に大学生は50万人程度卒業する。就職希望者は38万人で、内定者数が35万人。
3万人の内定が無い学生が、全員AI(ディープラーニング)を学んだとして、活躍の場はあるか。
無い。
例えば、100社が同程度採用しているとしよう。3000人~5000人だ。
専門的な研究は難しいが、そこまでは必要ないと言う。学ぶのは簡単だと。
逆に言えば、簡単な学習すら現在雇っているエンジニアにさせる気は無いという意味だ。
ここが一番のポイントになる。
つまり、一部の経営者がほしいのは、オペレーターだ。ピペットドクター(ピペット土方)と同じ。
ある道具を上手に使える期間工が欲しいのであって、道具そのものの研究者は要らない。
そして、必要であっても雇っている労働者を習熟させる手間は惜しむ。
それが今後ずっと使えるか解らないから自分達で学習するのはもったいない。
だれでも学べる技術すら自分達の労働者には学習させない。そのコストをかけない。
つまり、新入社員に新しい技術を、アイデアと手数で一斉に形にする。
モノになるのは1つか2つあれば良い。モノにならなければ、切れば良い。
ダメだと思えば撤退する、損害が広がる前に見切ったほうが経営者としては有能だ。
当然その技術を扱う社員は、技術を持たない社員と同じに見える。
例えば、誤差逆伝播法について理解していて欲しいという言い方はしない。
Caffe、Pylearn2、Chainerいずれかのフレームワークが扱えて欲しい、と言う。
ツールが使えて欲しいのだ。CUDAのコーディングが出来る必要もないが、チューニングはして欲しい。
そうすると、ツールが廃れた時、そのツールが使える価値はゼロになる。
技術者の長年の課題ではある(技術の陳腐化は避けがたい)が、それだけを学ぶのは危険すぎる。
基礎を理解していればツールの習熟は早い。ツールだけしか使えなければ乗り換えは困難だ。
使えないより、使えるやつをオレは採る、と。
それはそうだろう。モノにならなきゃ切って当然と思ってるんだから。
興味があったりやってみたいならやれば良い。ただし、基礎を疎かにしてはいけない。
現在のディープラーニングによる画像処理は、言ってみれば特徴量抽出とマッチングだ。
原画像を変換しては特徴量を出し、組み合わせて覚えておいて、正解を探す。
正解を覚えさせる(結果の誤差をなくす)部分に1つアイデアが入ったことで一気に実用化が進んだし、できるとわかってからは研究も盛んにはなった。
機械学習をやってみようと思った時の入り口として、フレームワークは手軽だし良い時代だ。
それがなくなった時にどうするか、だ。