はてなキーワード: 舞浜アンフィシアターとは
書きながら文章を纏めている。
誰かに読んでもらいたいような文章じゃなく、思考の整理がしたいだけなので許してほしい。
俺はオタクだ。
オタクである自負はあるが、周りの目を気にし、最低限身だしなみは整えるようにしている。
1~2ヶ月に1度美容院に行き、ファッションも気にし、筋トレをして体型維持にも気を遣っている。
これが俺だ。
今日は大好きな声優のライブに行くために、会場である舞浜アンフィシアターへ向かった。
ライブは全部で3公演あったが、俺は最終日の千秋楽の夜公演だけを取った。
舞浜アンフィシアターに行くには、舞浜駅からイクスピアリを抜ける必要がある。
ミッキーとミニーの耳が生えたキラキラした人々で溢れていたのだ。
カップルでいっぱいの店内は、1人でやってきた俺には眩しすぎた。
なんとなく憂鬱な気分になっていたところで、よく見るとそういったキラキラしたカップルや家族ばかりでも無いことに気がついた。
俺の目の前には、示し合わせたかのように同じような柄のチェックシャツを着てジーンズを履いた3人組。
よく注意して会話を聞いていると、どうやら俺と同じ声優のファンらしい。
ちょうど昼公演が終わり、夜公演までの時間潰しに来ていたのであろう。
あぁ、よかった。同じ穴の狢だ。
俺はそんなこと思っていなかった。
明確に「俺はこいつらとは違うな。」と思っていた。
そんな考えをしていることに気づいた時、ハッとした。
なんて最悪な人間なんだろう。
イクスピアリを歩いているキラキラしたカップルのような人間にもなれず。
キラキラしたカップルから目を背けて、同じオタクを馬鹿にして。
本当はどちらにもなりきれない半端な俺が1番ダサいのに。
そして気がついた。
俺はどちらにもなりたかったんだろう。
でもあいつらとは違うという変なプライドが邪魔をして、界隈に友達を作ってこなかった。
でも自分から能動的に動かず、最低限の努力しかしていない俺に振り向いてくれる人はいなかった。
どちらにもなろうとした結果、どちらにもなれない半端なモンスターになってしまった。
いや、そもそもその2つをまるで相反するかのように考えているのが間違っているのだろう。
現実に気がついた時、泣いた。
俺には何も無い。
「今回のライブ、この公演が初めてだよーって人!」
チラホラと手が上がる中、俺は手を挙げられなかった。
「じゃあ3公演全部来てるよーって人!」
俺は中途半端だ。
ファンクラブに入っているほどファンのはずなのに、公演は1度しか行かない。
全通するほどの気合もないし、そんなにお金もかけられないと思っている。
でもきっと本当のオタクなら、そこにかかるお金なんて関係ない。
俺は1公演しか行っていないのに。
でも、どこか疎外感を感じざるを得なかった。
演者が言う。
「まだ迷ってる人いる〜? もしかしてクリスマスに予定があるんだろう!この〜!」
クリスマスに予定などない。
これから入る見通しもない。
でも俺はまだそのイベントに申し込んでいない。
クリスマスに声優のライブに行くことを、心のどこかでどうなのかと思っているから。
好きなのに、中途半端だ。
帰宅の電車、ネズミの耳をつけた高校生やカップルと声優のオタクが同じ車両で共存した。
でも俺はそのどちらにも属せない。
そのどちらにも居場所がない。
無頓着なオタクとは違うというプライドと、どうせ俺はオタクだからという自虐思考。
それはきっと全ての人を認めること。
好きなものを全力で追っている姿はかっこいい。
もしかしたら、今ここで気が付けてよかったのかもしれない。
今の俺には何もないけど。
今から頑張ろう。
胸を張ってオタクができるように。