はてなキーワード: 山開きとは
こんなことは散々言われ尽くされているだろう議論だし、今さらおれが言うことではないのかもしれないが身近なところでこの異常性を感じたので記録しておく。
富士山という山の異常性については、ずいぶん前から認識はしていた。
登山に親しくない人々にとって富士山は登山の対象ではなく、「富士山」というコンテンツである。と
富士山には極端な例で言えば、Tシャツジーパンスニーカー雨具も持たない連中が登る。
これは十分に整備された登山道と十分な山小屋のある富士山だからこそまかり通る狂気だ。
またTシャツジーパンスニーカー野郎は論外としても、富士山のために装備を1から揃えて行く大部分の「富士山に登りたいだけ」の山に縁のない人々にも個人的には悲しさを感じる。
その登山道具は、登山のためではなく「富士山に登るセット」なのだ。
そして富士山に登ったら最後「もう2度と山には登らない!」と言い放ち(まるで登山全てがそうであるかのように!)、その高価な装備は使われることは2度とない。
初めて登る山が富士山でなければ…。
山の素晴らしさを知っている人間からすると、そう思わずにはいられないのだ。
しかしまぁ幸いにもしっかりとした登山コミュニティに身を置いてきた増田の身近にはそんな人はいなかったので、富士山はそういうもんだ、そういう人はコンテンツを楽しんでんだからいいんだよ、と割り切っていた。
とまぁ前振りはここまでだ。
そんな考えを持っていた増田に3ヶ月前に彼女ができた。とても笑顔の可愛い愛すべき女性である。
彼女について説明しておくと、全く運動しない、増田が筋トレ、ランニングに誘うも一緒にやったことは一度もない、そもそもスクワットとか腕立てをやらせてみても1回もできない、お腹周りもぷよぷよといった具合だ。
(こんなこと本人には絶対言えない)
また登山道具一式も先週買ってきたので、富士山に行く前にどこか山に行って靴を慣らそう、せめて平地でいいから慣らそうと言っても全て断られた。
そのくせ、たちが悪いのは「20代のうちに富士山に登ることが夢だった」とか言い出したことだ。(彼女は29歳)
((はぁ!?夢だったならそれに備えた準備するんじゃねぇの?夢なのにぶっつけ本番?それ東大入るのが夢とか言って勉強しないで受験するやつだからね!!))←心の声
止めた。すぐ止めた。そりゃ止めた。
でも夢だから行くと。
増田も6月の頭、山開き前の富士山に行ってきたが相当にしんどかった。普段山に行っている増田でさえも辛いのだ。彼女に登れるわけがない。
まさか身内に嫌悪すべきコンテンツとして富士山を登る奴が現れるとは!!
困惑した。
今5合目にいる。7/9 21:53現在だ。
リアルタイムだ。
一緒に行った連中もみな初心者で、唯一の経験者も富士山しか登ったことがない。
ギリギリまで注意喚起をして、ヤマテンで天気を調べてあげた。幸いにも晴れ予報である。
ただ局地的ににわか雨が降ってるらしいので気をつけるようLINEをした。
ここまで彼女のことはボロクソ書いたが心から愛しており不安で仕方がない。
しかも今5合目にいて、御来光をみるだとか言っている。
お前、何時に出発すればいいんか分かってんのか!?
おれはてっきり今日は8合目あたりの山小屋にいるんだと思ってたぞ!!
そんな怒りと不安をぶつける先がなかったのでここに書き殴りました。
彼女が無事下山してくれることを祈りつつも、彼女は下山後こう言うに違いない。
「もう2度と山には登らない!」と。