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2017-05-26

28大学院既卒博士童貞無職職歴ゼロ地蔵になる。

都内某社へプログラマ採用面接に赴く。就職斡旋から紹介された中小企業である。おれはプログラミング経験が皆無だったか採用されることはまず無いだろうと考えていたが先ずは課題を解いてみろと斡旋屋は云う。食事睡眠時間とその他日常の雑事を犠牲にして一ヶ月ほどで解き終わる。完了した旨を斡旋屋に報告するとあれよという間に面談の日取りを決めてきた。当日、朝からぱらついていた雨は、正午前には止み、蒸し暑い晴天へと変わっていた。都内オフィスを訪れたおれは、こじんまりとした会議室に通された。ひとりのおとこが入ってきて、ここで一番えらいエンジニアだと名乗った。面接開始である。こちらが名乗ったのだからお前も自己紹介しろおとこが云うのでおれも名を名乗り、用意してきた志望動機キャリアヴィジョンをよどみなく述べた。斡旋屋と打ち合わせした通りの模範的な回答であるしか面接官氏はそれが気に入らないらしくおれ自身アピールになっていないと云う。大学で学んだことを活かして社会に貢献できるように――「それはみんなそう考えてるよね(笑)」「改めて聞きますがうちに入社してどうしたいですか?」3分ほど沈黙。「あっもういいです」おれは完全に萎縮してしまっていた。おとこは手元のVAIOディスプレイケーブルにつなぎこのループ文の計算量オーダは幾らかと問うた。壁面にはおれが解いた課題プログラムが映しだされている。しかし、おれは自分で書いたはずの10行ほどのfor文がどうしてうまく動いているのか、さっぱり思い出せない。仕方がないので一から考え直す。1ループ目の変数はこうなって2ループ目がこうで……ああ紙と鉛筆さえあれば。5分ほど沈黙が続くと、こんな初歩的な質問にも答えられないとは思ってもみなかった面接官氏がおれを煽る。「きみ計算量詳しいんじゃなかったの(笑)自己紹介ときにP≠NP問題に興味がありますなどとうっかり漏らしてしまったのが運の尽きだった。それで余計に焦ってしまう。quick sortを使っているのにO(n)で解けるなどと云う妄言を口走る。頭大丈夫かこいつと云うおとこの顔。緊張は極限に達し、丸暗記してきた想定問答通りの内容を喋ることでせいいっぱいになる。このあたりから面接官氏の露骨な「アホと喋ってる時間が勿体ないんだよね」オーラを感じはじめる。今までプログラム行書いた?課題以外に勉強したことは?研究以外の活動は?本は何冊読んだ?使える言語は幾つ?インターン経験は?ないです。ないです。事前に考えてきた逆質問2つをもって、やたらと早いタイミングでの面接終了となった。おれは逃げ帰るように会社をあとにし、駅へと向かった。おれは自分が某大学大学院博士課程を修了したのだとつい先程まで思い込んでいたのだが実は無職ニートの単なる妄想に過ぎなかったのではないか。あれだけ苦労した研究の日々もすべて夢のまた夢だったのではなかったか大学名誉を傷つけないようニセ学位返上するべきではないのか。優良企業の貴重な業務時間を奪ってしまった罪を償うべきではないのか。半泣き。死にたい。傘忘れた。

http://anond.hatelabo.jp/20170523021920

 
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