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2020-06-09

ネタバレ注意)松本清張「点と線」の衝撃

Wikipediaには「福岡市香椎海岸発見された男女の情死体に疑問を持った2人の刑事事件捜査活写し、F・W・クロフツらによって確立されたアリバイ崩しのスタイル継承したミステリー長編。著者の最初長編推理小説であり、松本清張ブームを巻き起こした作品である。」とある

 

から30年前、すでに、「点と線」松本清張の傑作と言われ、映画化などもされていたが俺はそもそもミステリーが好きではなく、まったく読む気はなかった。

 

食わず嫌いはよくないと思い、いよいよ読み始めた。するとこれがなかなか面白い

 

ただ、途中で、「これって飛行機使えば、アリバイ崩れるんじゃないかな?」とちょっと引っかかったが、「まあ、飛行機がない時代背景なんだろうな」と、ワクワクしながら読み進める。

 

ところが、「あ! 飛行機を使ったのか! それなら間に合うぞ!」というトンデモ展開。

 

まりに衝撃で、本を閉じてしまった。

 

それ以来、日本人の書いたミステリーをまったく読んでいない。

 

そんな俺におすすめミステリーを教えてほしい。新コロナのせいで、読みたい本がなくなってしまったんだ。

 

シャーロック・ホームズとか、アガサ・クリスティー作品は、なんとなく話の筋を知っているので、勘弁。

2018-02-15

魚久という旅館があった。

「点と線」舞台になったような町に、魚久という割烹旅館があった。

木造の3階建ての本館とその隣に同じく木造で2階建ての別館。

別館の二階からは、そのころはまだ干拓前で、

障子の向こうには海岸線が広がっていたそう。

明治の頃から、旅に祝い事にと、人々の色々な瞬間を見てきたその旅館は、

戦争の頃には、旅立つ若者を送り出す宴なんてのもしていたそうで。

それから少し時代が経って、

海岸線だんだんと遠くになってしまって、街の景色も変わっていって、

ある時、隣の醤油屋の煙突の灰のくすぶったのが原因で本館は火事に見舞われて。

どうにか別館だけは残ったものの、割烹旅館廃業してしまった。

残った建物は、

部屋はたくさんあるものから女子学生下宿なんかになったりして、

そのあとは、時計修理の修行を終えた若者が新しく店を出したり。

それから40年、その若者はそこで家族をつくって、そこに住むようになって、

旅館と呼ばれていたそれは、面影だんだん薄れて、家となった。

そして、その家も、数年前に街の区画整理で、建物としての幕を閉じて。

ただの広めの道路になってしまった。

やもすると、ここにそれがあったなんてことは、

あと一世代も廻れば誰も覚えていなくて、

そもそも、それが昔々は旅館だったんだなんてことなど、

本当に誰の記憶にも残っていないんじゃ?と、ふと。

でも、言われてみれば、建物の一生なんて、いろいろな人の人生を見守りこそするけれど、

人の記憶に長く残る建物なんて、由緒あるほんの一握で、手からこぼれたものたちは、

だんだんと覚えている人も減り、最後には誰の記憶にも残らないものになるのだろうな、と。

ただ、その、一握にまではならなくとも、

これを読んだあなた記憶の端に、少しの欠片でも引っかかっていてくれると嬉しい。

 
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