2024-07-05

発達障害30歳成人説とエイジズム

発達障害30歳成人説」というものがあるらしい。なんでも、精神の発達の遅い発達障害者は定型発達者より精神年齢が10歳低いから成人を迎えるのも30歳頃になるということらしい。自分アラサー発達障害者(ASD)だが確かに30歳成人説は分かる気がする。最近になってようやく身だしなみに気を遣うようになったし、自分の将来について不安を感じるようにもなってきた。普通は身だしなみなら中高生、遅くとも大学生になったら気にしだすものだと思うが、少なくとも20代前半の頃は無頓着だったし、将来だって大学卒業する22、3歳までには就活の中で多くの人間が考えているはずだが自分はのほほんと生きてきた。また、人間関係機微コミュニケーション作法について分かってきたのも最近のことだ。それまでは他人気持ちを考えるということをロクにしなかったし、他人に気を遣わず自分勝手にばかり振る舞っていた。

この発達の遅さの原因はなんだろうか。脳の器質か、定型と比べた経験値の低さか。どちらも関係しているが、後者の方が強いような気がする。発達障害者は発達障害であるがゆえに社会で揉まれ経験に乏しい。自分経験から言うと、大学に入ってから高校時代までとさほど変わらない生活を持続し、サークルバイト、その他いろいろな社会経験をあまりしてこなかった。友人も多くないし、定型発達者女性との関わりも薄いか人間関係恋愛を学ぶ機会も乏しかった。こういう「経験値の低さ」が精神年齢の低さと強く関係しているような気がする。

さて、30歳頃になってようやく定型発達者の20歳と同レベルになってきたのはいいとして、問題になってくるのはこの社会にはびこる「エイジズム」だ。人生のレールから外れることの不利が、諸外国ではどの程度のものなのかは知らないが、少なくとも日本では大きいとされている。留年することなく22歳で大学卒業し、就職し、遅くとも30代までに結婚して子供を作る。これが正しい生き方なのだとされている。結婚出産規範はかつてと比べるとだいぶ変わってきているが、少なくとも22歳で大学卒業して就職するというところまでは未だに強く規範づけられている。

自分の周囲の発達障害と思しき人間は、大体就職までの段階でレールから外れている。25歳くらいまでずっとニートをやっていた奴もいたし(その後スーパーバイト)、修論就活が手につかず大学院を2年留年した奴もいた。他ならぬ自分自身も中退浪人留年を経て現在学生をやっている。発達障害を持っていて、22歳までに何らかの逸脱をしていない人間は滅多にいないのではないだろうか。定型発達者と比べて明らかなハンディを負っている発達障害者には22歳までのイベントを滞りなくクリアするのは難しいし、その後の結婚出産もやはり厳しいだろう。自分や周囲を見ていると思う。

そんな発達障害者に対する社会見方や扱いがこれから時代どのように変化していくのか、そして30歳で「成人」した自分達の今後の人生はどうなるのか、当事者として不安を隠せない。

  • 夢見すぎ。 発達障害は発達が不均一だから発達障害なのであって、 何年たとうが成人レベルの精神には育たないぞ 20歳時点で小学生みたいな屁理屈こねてる時点で気づこうぜ

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