2023-06-10

NHKコロナ報道問題を起こした構造的背景

NHKニュースウオッチ9」で、コロナワクチン接種後に死亡した人の遺族でつくる団体から、遺族の男女3人が出演して「5類になったとたんにコロナが消えるわけではない」「風化させることはしたくない」と語らせたが、家族ワクチン接種後に失った遺族という紹介はなく、テロップで「夫を亡くした」「母を亡くした」とだけ編集して、回答者趣旨を捻じ曲げて報道していた問題

https://news.yahoo.co.jp/articles/2ec9d3c077c1c6b296d5a0c8288b620f741da931

私もかつて編集者として民放だけでなくNHKでも実務をしていた経験があるが、NHK場合根本的な問題として、いざ編集する段になると、圧倒的にプロデューサーが内容の決定権を握ってしまい、強引に内容が「簡単に」「分かりやすく」捻じ曲げられてしまうという組織的風土がある。現場記者PDディレクター)は意見をすると歯向かったみたいな扱いになり、どうせ自分たち意思は通らないと最初から諦めてしまっている。

いつもであれば、プロデューサーの介入によって非常にシンプルな分かりやすい構図となり、皿洗い中にながら見をしていても理解できるような単純な情報となって流れていく。だが、あまりにも強権的な介入に対して、記者PD忖度しすぎた場合、あるいは意見をしても全く聞く耳を持たない場合は、今回のようなありえない完全な間違いが起きる。

そもそも現場にも行ってない、取材もしてないオッサンが、頭で想像した通りに、下から上がってくる情報を分かりやすく単純に情緒的に整理するからこのようなミスを起こしてしまう。上意下達軍隊的な思考が令和になっても改まらず、今回も現場人間責任を負わされ、プロデューサー栄転ともなれば離職スピードは加速するだろう。

私はNHK職員ではないし今はNHK仕事はしていないが、客観的立場から提言を述べたい。これはNHKに限らないかもしれないが、立場上下を固定せず、プロデューサーディレクター自由に異動できるような体制としてはどうか。本来、それぞれ重要独立した役割であって上下関係となっていること自体おかしい。日本特有年功序列カースト制度からこのような風通しの悪い組織になる。記者ディレクターとして理不尽命令に耐えた結果、プロデューサーに「上がれる」という価値観自体を改めるべきである

というわけで、NHKの偉い人は現場若い人たちのためにも真剣組織風土改革を考えてほしい。上記のような改革であれば、簡単ではないか

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