2022-08-20

私は「母親ヅラ」をしていない

多分。

https://togetter.com/li/1932519

このまとめを見て、

推し健康幸せでいてほしいって思うのはいけないの?」

ゆっくり休んでね、とかお疲れ様はいけないの?」

「たくさんテレビ雑誌に出てほしいかハガキを書いてたんだけど…

などの声を見て、自分と「好きになり方」が違うんだな、と思ったので個人的認識を書く。


私はあまり推し」という言葉を使わない。なんとなく違和感があって苦手だ。

じゃあなんなのかというと、突き詰めてしまえば私は「消費者」だと思っている。

彼らの作り出すコンテンツを楽しむ消費者であり、

私は彼らの能力――音楽や、演技や、トークや芸――にお金を払うだけの価値があると思うからお金を払っている。

健康でいてほしい」「幸せでいてほしい」とか、そりゃ思うか思わないかなら思うけれど、

それは単に私の好きなコンテンツを作ってほしいからだ。

当人に声をかける機会があっても、「お疲れ様」「ゆっくり休んでね」と伝えるよりは、

今過ごした時間がどれほど楽しかたか、その人の演技や演奏がどれほど素晴らしかたかを伝えたいと思う(なかなかうまくは行かないが)。

SNSでの感想や紹介もそうだ。


おそらくなのだが、誰かを応援する、と一言で言っても、

その人の能力コンテンツが好きな場合

その人自身が好きで応援したい場合があり

人によってその割合グラデーションになっているのではないか

コンテンツが好き」も「人が好き」もどちらも間違った気持ちではないが、

好きな気持ちが噛み合わないとお互いに不幸なように感じる。

例示が古くて恐縮だが、秋元康アイドルAKB等)の投票券商法などは

楽曲というコンテンツのもののためでなく、推し順位を上げるために金を払う……という点で「人が好き」に近いのではないかと思う。

(「推し順位を上げる」という祭りに金を払っている、という点ではコンテンツかもしれないが…)

では、自分たちで作詞作曲して活動しているバンドCDを、一人のファンが何十枚何百枚と購入してみせたとして、

そのバンドが手放しで喜んでくれるか……といえば微妙ではないだろうか。

一般バンド楽曲という「コンテンツ」で商売をしたい人たちで、

「人が好きだ」という動機で、コンテンツ蔑ろお金を払われても嬉しくない人のほうが多いのでは…と思う。

もちろん、「コンテンツ」「人」のどちらが好きである、と100:0で決められることはなく、

みんなそれぞれに割合があるとは思うのだが、

しかし、コンテンツを売りたいと思っているのに人の部分にばかり着目されてしま場合

ストレスになることは想像に難くない。

私は渦中のVTuberのことをよく知らないが、

VTuber一般の話として、

決してVTuberの全員が、「人が好き」なファンばかりを狙っているわけではないのではと思う。

雑談や親しみでファンを獲得しようとしている人もいるけれど、

動画等のコンテンツに拘って作っているな…と思うものもある。

ファンとはいえ人間から当人希望100%沿うべきだなんて思わないが、

ただ、「好きになり方」「応援の仕方」があまりにも噛み合わない関係は、単純に不幸だろうなと思う。

そして「母親ヅラ発言の奥にあるのはそこの噛み合わなさだったんじゃないかな…と想像している。

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