2021-09-28

「本当に腸を断ってくれないかな」

難病揶揄などではないものの、誹謗中傷と受け取られかねない、極めて攻撃的なツイートではなかったのか。

本人を中傷する意図微塵もないが、氏が示した理路に、全く納得することができない。

知念実希人さんによる国籍差別発言に関連して|李琴峰

@Li_Kotomi #note https://note.com/li_kotomi/n/n9e5771570c83

しかし、すでに何回も釈明した通り、私は安倍さん難病揶揄したことがありません。これは一部のアンチによる悪意的な解釈であり、デマです。

については、以下のような李氏本人による連続釈明ツイートがすでにあって、

政治家の「断腸の思い発言揶揄したいくつかの昔のツイートに対して違反報告をなされ、困惑しているが、ひとまず要求に応じて当該ツイートを削除した。

そして当該ツイート意図が分かりやすいよう、以下の通り書き直す。

断腸の思い」という言葉中国故事に由来し、元々は子猿を捕らえられた母猿が、悲しみのあまり腸が寸断したというお話

まり断腸の思い」というのは本来、極めて哀傷痛切な感情表現する言葉だが、政治家が何度も繰り返すうちに、安っぽい政治的常套句に成り下がってしまっている。

それに対して、私は違和感を抱いている。

「一斉休校措置」も断腸の思い、「緊急事態宣言」も断腸の思い、「五輪無観客」も断腸の思い

腸というのは、そう何度も断つものではない。

政治家はそろそろ、腸を断つのをやめた方がいい。医者が大変なので。

かわりに、もっと誠実に政治を行ってほしい。

と言うのだが、

元々の問題となったツイートはこうだ(削除済み)。

朝日新聞記者の「安倍首相臨時休校は『断腸の思い』」という記事引用リツイートする形で)

本当に腸を断ってくれないか

#安倍やめろ(2020/02/29)

「分かりやすいよう書き直した」というものの、

元々のツイートを「腸を断つのをやめた方がいい」という意味に受け取るのは、私にとっては難しい。

もしそうならば、断つべきは「断腸」であって「腸」ではない。

かに当該ツイートが、安倍前首相の潰瘍性大腸炎揶揄したものではないというのは納得できる。

本人いわく、病気のことは知らなかったとのことだし、

そもそも安倍前首相自ら使用した「断腸の思い」という故事由来の表現を、氏が受けての発言からだ。

しかし、だとすれば今度は「本当に」の意味が問われる。

直前の故事を受けるとするなら、

「腸を断たれて死ぬ『ような思い』だけじゃなく、『本当に』腸を断ってもらえないだろうか」と解釈するのが、最も妥当なのではないだろうか

故事にならうならば、腸を断った母猿はどうなっているか。少なくとも、激しく傷付いているはずだ。

「本当に腸を断ってくれないかな」は、どう読み替えても、「『断腸の思い』という表現をこれ以上軽々しく使ってくれるな、誠実に政治を行え」という解釈にはならないのではないか

これは難病揶揄などでは決してないものの、非常に攻撃的で、誹謗中傷に相当しうるツイートではなかったか

断腸の思い」とか「責任を痛感」とか、この政権が発する言葉一つひとつが嘘っぽくてなにひとつ本物の重さが感じられない。本当に聞いていられない。

https://twitter.com/li_kotomi/status/1283963125633445889(2020/07/17

は5か月後のツイートなので、それが真意だと言われても、はいそうですかとはならないだろう。

その辺りを掘るとむしろ安倍前首相の体調に言及したツイート複数出てきてしまう。

言葉がきつすぎた点に関しては批判されても仕方ない部分もありますが、しかし「反日」「外省人」「左翼工作員」といった浅はかなレッテル貼りや、「難病揶揄した!」といった事実に反する指摘は、受け入れられるものではありません。

https://note.com/li_kotomi/n/n9e5771570c83

この辺のエクスキューズも、ややもすれば「誤解を招いたのならお詫びします」系の言明にも見えてしまう。

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