フェミニズムという言葉が注目され始めた時、私はフェミニズムにすごく共感した。
その頃はネットのアングラな要素がそのままSNSに来たせいか、女叩きは当たり前、気に入らない女は女性器呼ばわり、綺麗な女はやらせてくれとリプ、非処女は中古、育児も家事も母親がやって当たり前、イクメンて言葉がやっと出来たくらい。
それが当たり前だった、それに疑問を持たない人も多く、いわゆる名誉男性というのもかなり多かった。私は聞き分けのいい女ですよ、女叩きもしますよ、レイプされるような危機感のない女が悪いなんて言ってる女もいた。
私はそれまで、名誉男性寄りだったと思う。
女は家事をするものだし、男を立ててなんぼだし、痴漢されたことを話す女をモテる自慢くらいに思うほど、女性差別をしていた。
でも、それらを見て、私の考えが間違っていたことや、私の生き方はもっと自由でいいことを知り始めた。
当時は、今なら真っ当な主張も「男だって云々」「自意識過剰」「女様」なんてリプがついて、炎上していた。
それにくらべると、今は男性もフェミニズムに理解を示してくれてる人が増えてると感じる。真っ当な意見にトンチンカンなリプをしてる人を、諌めてくれる男性も多いからだ。
ここで私が辛かったのは、私にフェミニズムに目覚めさせてくれた人が、そういった発言をし始めたことだ。男は去勢、性犯罪者予備軍、女が辛いのは全て男のせい。
少なくとも私は、私が過去に女性差別をしていたことを、男性のせいと思ったことは無い。社会の男尊女卑による刷り込みといわれても、それに疑問を持たず内心バカにしてたのは私の意思だからだ。
でも、彼女は過去にした自分の過失を、全て男性、男性社会のせいにしていた。
女性差別をしていたことも、実際に人に嫌味を言っていたことも、自分の言葉遣いや仕事、勉強、上手くいかないことはすべて、それらを社会に刷り込んだ男性のせいで、女性は何も悪くないと。
でもその人は性被害にもあったことがあったし、少し考えが歪むのも多少理解出来た。
男性への差別はフェミニストとしてしてはならない。それはミサンドリスト、私たちが憎んでる差別を男性にしてることになると話し合あった。でも、無駄だった。
次第にそう言う人がどんどん増えていったから、彼女が多数派になるともう私の言葉は響かない。
ポリコレも大事、フェミニズムも大事、でもジョークや創作物、その人の価値観を全て否定することは違うと思う。
場所をわきまえ、人や関係性を選び、創作物と現実の区別をつけ、マナーを守ることが出来れば、いいんじゃないだろうか?
自分が男性に傷つけられたからと言って、それを免罪符のようにして男性を攻撃するのはいいんだろうか?
女が所謂「女らしさ」を求めるのを悪とし、男性に洗脳されているというのは正しいのだろうか?
自分の価値観を信じて疑わず、正義で人を追い詰めていいんだろうか?
女性差別を無くすためのフェミニストが、男性を差別していいんだろうか?
それならミサンドリストだとはっきり言ってしまった方がよっぽどマシだ。
でも、私は少数派になってしまった。ここで私なりのフェミニズムを唱えても、「ちんよし」「名誉男性」なんて言われるのが目に見えてる。
でも、私はフェミニストだ。
今でも男尊女卑は根付いてるし、女性の自由や地位はまだまだ問題があると思う。
男性社会は男性にとって有利なこともあるが、不利なこと、勝手に期待されたり求められることが多数ある。
男女、いや、それ以外の性別の人全てが生きやすくなるように思うことは、間違っているのか?
私は、間違ってないと思いたい。