2021-02-03

「DREAMBOYS」観客の収容人数50%とは、一体――?

 「――舞台『DREAMBOYS』が千秋楽を迎えたよ。観客の収容人数50%や、検温、換気などさまざまな対策を――……」

 冒頭は2021年1月28日FBS福岡放送バリはやッ!ZIP!」というワイドショー(以下、WS)でアナウンサーが読み上げたものだ。東京日比谷帝国劇場にて2020年12月10日2021年1月27日まで実施されていたジャニーズが多数出演する舞台「DREAMBOYS」(通称ドリボ)の千秋楽公演が無事終了したことを告げるエンタメニュースだ。ジャニーズ以外のオタクの人はびっくりするかもしれないがジャニーズ舞台制作発表からゲネや初日千秋楽まで、あらゆるWSエンタメニュースで全国各地で取り上げられる。広告大手事務所の力はすごい。

 今回取り上げたいのは「観客の収容人数50%」の部分だ。これは全くの間違いである。わざわざテロップまで表示して強調しているが(ジャニオタ権利関係に疎いのでWS名と舞台名でインターネットの海を検索すれば出てくる)、間違いだ。ドリボ観劇した人間、あるいはジャニーズ現場ウオッチしていた人間は分かると思うが、観客の収容人数100%だった。確かに、当初は50%で観劇者を募った(そのおかげでファンクラブ会員でも当選者が少なく、当落時点での相場は高騰した。余談である)が、2011月ごろに追加応募を募り、観客の収容人数100%での公演実施を決定した。年明け、政府による緊急事態宣言が再度発令された後も主催である東宝は「内閣官房より各都道府県通達された1月7日付の事務連絡にのっとり、『1月11日までに販売済のチケットについては収容定員制限適用せず、キャンセル不要』という内容を受け、下記の対応を行ったうえで、上演させていただきます。」として払い戻しには対応するのみで、強制的に50%になるといった措置実施していない。詳しくは東宝公式サイトを参照してほしい。

https://www.tohostage.com/dreamboys/info20210108.html

 ただ、東宝の言う通り政府から強制されていないため、観客の収容人数を50%にしなければならなかったわけでもない。東宝ジャニーズ事務所対応政府通達に則っており、なんら問題ではないのだ。筆者は実際に十数回あるいは数十回帝国劇場に足を運んだが、確かに検温や換気はしているものの開演前のロビーは人でごった返していた。とはいえ別にそのことは問題ではないのだ。ただ、先述したバリはやという番組でわざわざテロップまで示して「観客の収容人数50%」と誤魔化した意味は一体なんだったのか、それが気になる。コロナ禍で舞台実施していることの体裁を保つためか、FBS側の単なる誤解なのか、それとも――。

 ……………なんて、陰謀論めいた記述文章を終えよう。

 余談中の余談だが、帝国劇場座席が狭く、前や横にいる人がかなり近く感じる。通路横や最前列でない限り観劇中にお手洗いに行くことは憚られるし、前方は座席の傾斜も緩いため、舞台がよく見えないことが多い。帝劇信仰の強いジャニオタはあまり文句を言いたがらない傾向にあるが、古くて伝統があるだけで観劇体験に優れた劇場ではない。できることなら50%でやってほしかった。そっちのほうが見やすそうだし。そう思う。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん