地球温暖化や気候問題に対する彼女の主張に反論するつもりはまったくないし、彼女の行動にも文句はない。
学校を休んで活動をすることに目くじらを立てる人もいるかもしれないが、それは個人の意思だし、別に周りがどうこう言う問題ではない。
16歳という若さながら、国際舞台に立って行動を起こしていること自体は本当にすごいことだと思う。
ただ、そんな彼女に対してどうしても違和感がある。Wikipediaページによると、
トゥーンベリは、彼女が8歳の2011年に気候変動について初めて聞いたと言っているが、なぜ気候変動への対策がほとんど行われていないのか理解できなかった。 3年後、彼女は落ち込んで無気力になり、会話と食事をやめ、最終的にアスペルガー症候群 [12] 、強迫性障害 (OCD) および選択的無言症と診断された。 [13] その診断は「以前は私を制限していた」ことを認めながら、彼女はアスペルガーを病気とは見なさず、代わりに「スーパーパワー」と呼んでいる。
とある。アスペルガー症候群は近年、発達障害が一般にもよく知られるようになってきたことから、耳にしたことがある人も多いだろう。また、強迫性障害もアスペルガー症候群ほどではないが知名度はあるように思える。しかし選択的無言症はどうか。これは場面緘黙症とも言われる疾患であり、詳しくは[wikipedia:場面緘黙症]を見てほしいが、アスペルガーほど知られた疾患ではないと思う。上記にもあるように、彼女はアスペルガーに関しては「スーパーパワー」として肯定的にとらえているが、場面緘黙症については、
So when I was 11, I became ill. I fell into depression, I stopped talking, and I stopped eating. In two months, I lost about 10 kilos of weight. Later on, I was diagnosed with Asperger syndrome, OCD and selective mutism. That basically means I only speak when I think it's necessary - now is one of those moments.
とhttps://www.ted.com/talks/greta_thunberg_the_disarming_case_to_act_right_now_on_climate]において発言している。
これがどうも腑に落ちない。これは場面緘黙なのだろうか。急に話さなくなったり、必要だと思う時にしか話さないという彼女自身の説明には疑問が残る。
もちろん、当時の彼女を診断した医師がそう判断し、彼女はこのスピーチの中でそれを話しただけかもしれないし、時間の都合上分かりやすい表現としてこのような表現になっただけなのかもしれない。
しかし、意地悪な見方をすると、これは場面緘黙症という疾患を利用しているのではないかとも思う。場面緘黙症自体があまり馴染みのない疾患であることから、多くの人はその疾患について「話すことが困難なんだな」程度の認識だろうし、そのような人々がこの話を聞いたとき、彼女に対して「そのようなハンデを持ちながらも環境のために声を上げた16歳の少女」のイメージを強く抱くであろうことは容易に想像できる。場面緘黙だけでなく、アスペルガーや強迫性障害についてもそうだ。
これが可能なのはそれが見えない症状だからだ。身体的なハンディキャップがある人とは異なり、アスペルガーや場面緘黙症は一見しただけでは当人がそういった疾患を持っていることがわかりにくい。しかし逆もまた然りだ。自称しているだけだとしてもそれを見ぬくことは難しい。
グレタさんに関してはいろいろな意見が出ており、親に利用されているだとか、誰かがバックにいるとか、陰謀論じみたものまで出ている。実際のところどうなのかはわからない。
結果的に多くの人々に気候問題を考える機会を与えたことは良いことだと思うが、場面緘黙症についての発言だけは、どうしても違和感をぬぐえない。