「花譜」という名前で活動する15歳のアーティストがいるらしい。
現代らしくヴァーチャルな肉体に身を包み、可愛らしく繊細な声で様々な曲を披露しており、
Twitterのフォロワーは6万人以上、自身のYouTubeチャンネル登録者数は現時点で18万を超えている。
私はこの「花譜」というアーティストの存在に全く詳しくないので、詳しい紹介やこの曲が作られた経緯とかその他諸々は割愛する。
んで、その女の子がワンマンライブで披露したこの「不可解」という曲。
https://www.youtube.com/watch?v=NDOJZSG9SPU
この「不可解」を作詞した人は「カンザキイオリ」という"ボカロP"だそうだ。
有名どころでいえば「命に嫌われている。 」だろうか。
以下、歌詞
そういうことをこれから考えなくちゃいけないんだ。
そうでしょう?だって学校なんかじゃ責任感とか、団体行動だとか、
ありもしない、意味もない将来のためとか言って教えてくるじゃん?
そう思えばなんだか人間全てが汚く思えてくるな。
「寂しい」とか、「愛しい」とか、
そんな言葉では表せない。
不可解な未観測情景。
名前のない花のような、
悠に咲き乱れるこの号哭が、
やりたいことすらできなくて、
身動きすら取れない、寂れた心臓に咲いた。
言葉じゃ表せない。
「人間の正しさってやつを今勉強してるわけですが、セオリー通りに生きて、
教えられた通りにやることが、そりゃ正しいと思うよ。
でもさ、きっとそれだけじゃないでしょう?」
激動とも言い難い、どうにも表せない歪な感情。
「死にたい」とか、「生きたい」とか、
そんな痛みでは嫌われる。
でも不可解な未完の声明、
それだけが頼りだろう。
ずっと未知なる現実に無力で、
生きることも難しくって、
身動きすら取れない、疲れた肺がかなった。
画面に花が咲いて、
このまま清く正しく、
誠実な人になることが、
それだって正解の一つだ。
でもそれで満足できないのは皆わかってるはずなんだ。
だってそうでしょう?
満足してたらこんなところで歌なんて歌わない。
こんなに苦しくならない。
こんなところで踊らない。
こんな気持ちで叫んでない。
こんなに美しくなれない。
こんなに楽しくなってない。
踏み潰された涙が固まってできた、
不可解な未観測情景。
名前のない花のような。
悠に咲き乱れるこの号哭が、
やりたいことすらできなくって、
身動きすら取れない、寂れた心臓に咲いた。
言葉じゃ表せない、
不可解で不完全な魔法。
そういうことじゃないでしょう?
心が打ちひしがれたあの不確かな情景を綺麗だと思うのは
きっとそれこそが人間の証だ。
Source: https://www.lyrical-nonsense.com/lyrics/kafu/fukakai/
「お金・ビジネス・効率についてだけ考えること」「セオリー通りに生きる事」が「人間の正しさ」「あるべき人間の姿」であると定義付けたうえで、
「清く正しく誠実」な人生を送っているだけでは満足出来ない。
しかし自分一人では突きつけられる現実や社会の波に抗えないから、不安定で不可解なネガティブ感情に苛まれている。だから歌うんだ。 みたいな内容。
その不可解なネガティブ感情や、打ちひしがれた時に見る心の情景こそ美しく感じ、その感情こそが人間の証だ、という締めくくり方をしている。
つまりは「打ちひしがれ、絶望する中にひっそりと芽生えた反骨精神」がまさしく「人間のもつべき感情」だ、という中々アツい内容だ。
こんなに中二病でアツアツな歌詞をロリロリな声で歌っており、少女の必死感が出ててバリバリ味が出ている。是非聞いてみてほしい。