二人目は・・・専門の時お互い仲は良かったけど周りが次々とくっ付いて、え?お前らは?って空気になって。
どっちも彼氏って役割をこなそうとして、相手を楽しませようと無理をした。
一人目はそれを見透かされて別れ、二人目も・・・無理をしたストレスで耳が聞こえなくなった事が直接の原因じゃないけど
恐らくお互い変に意識しすぎて今まで通り気軽な会話が出来なかったからだと思う。
そのまま専門学校を卒業して就職してブラック企業で俺は壊れた。
度重なる長時間残業、上司からの圧力、先輩はトイレでゲロを吐き後輩は失踪した。
毎日自殺を考えこのままじゃ三年以内に確実に死ぬな・・・と思って辞めた。
辞めた後はしばらくニート生活を堪能し流れるようにして地方に移住した。
移住した先では前の仕事の経験を活かし新しく仕事を始めるがそれも上手く行かなかった。
小中学校と虐められずっと挫折を経験し、ブラック企業で劣等感を刷り込まれた俺はここで心が完全に折れた。
誰とも話したくないし顔を見るのも怖い。
俺は引きこもった。
だけどそんな引きこもってる最中も俺の部屋に訪れる人は何人か居た。
極端な田舎と言う訳じゃないが車が無いと不便な地方と言う事もあって何人かに俺の車を貸していた。
その車を貸していた中にその子は居た。
俺と同じく流れるように地方を転々としてきて、今の場所が気に入って長期滞在しているらしい。
部屋に車を借りに来るのもウザいしめんどくさい。
でもその時は何故か饒舌だった。
ブラック企業に刷り込まれた劣等感で自分は相手を幸せにする事は出来ないと思っている事。
自分の糞つまらない人生に他人様をつき合わせてしまう事への罪悪感。
それを俺は次々と語った。
でもその子は別に幸せにしてあげなくてもいいんじゃない?と言った。
二人で幸せになろうって人を探せば?と言われて何か許された気がした。
そして別の日にタバコを吸っていた時、その子は全く吸わないのに近寄ってきて飲み会の日の話の続きをした。
俺が自分に自信が無い事を伝えると、何時になったら自信がつくの?と言われた。
確かに俺は3年後も「自信が無い」と同じ事を言い続けて物事から逃げてる姿が容易に想像できた。
俺だけ自信が無い訳じゃない。
みんな自信が無くても踏み出してるんだと言う事に気づかされた。
仕事中、Twitterを見ている時、寝る前、ほんの些細な日常の一瞬にその子の顔が過るようになった。
その子のTwitterを見ると今いる地方から次の地方へ行く事を匂わせるようなツイートがあった。
今行かないと絶対一生後悔する。
それは分かってるんだけどやっぱり怖い。
狭い地域だから周りへの影響とかを考えると怖いし、何より過去の自分の挫折ばかりの人生経験が頭を過る。
怖い。すごく怖い。