女からしてみるとどう考えても逆なのに。
男女をアメリカや南アフリカなどにおける人種問題で喩えるならば、どう考えても女=黒人、男=白人だ。差別する側とされる側、社会において優位にある者と劣位にある者という明白な差があるのだから。
単純に黒人の方が体力がある、粗暴であるという偏見がある、あるいは肌の色が濃い事は「男性的」に見えるなどという理由からだろうか?
いや、見た目に違いのある白人と黒人の喩えには限らないからやっぱり違うかもしれない。「日本における日本人と在日韓国・朝鮮人」でもいい。この場合も喩えるならば男=日本人、女=在日韓国・朝鮮人、が妥当であると思われる。
しかし何故か女性専用車両に反対する男は「在日の犯罪率が高いから在日を隔離するのと同じだ」なる喩えも用いていた。こっちからすると完全に逆。
置き換えるならば「在特会の攻撃から身を守るために在日専用車両を作りました」だ。まあ、これがもし実現された場合には、「在日差別」の文脈で話題になるだろう。何故在特会からの攻撃にさらされている、何の罪もない人々を隔離し自ら閉じ籠る事を強いるのかという文脈で語られる筈だ。
女性専用車両も完全に同じだ。そこに差別があるとしたら、差別者の側を規制して差別を解消するのではなく被差別者の方を隔離するという安易な手段を取った事にある女性への差別である。男性への差別ではない。
ハフィントンポストの記事でイギリスから問題視されたというのもこの理由からだろう。
何故男はこの社会において優位者・権力者であるにも関わらず、虐げられる側の人種に自らを喩えるのか。
これって認知の歪みとして研究されてもいい事案だと思うんだが。
アメリカにおけるWASPを日本で置き換えるならば平均的な収入の高さ、経営者や政治家に占める割合、どれをとっても「日本人男性」になる筈なのに、何故かそう思わない認知の歪み。
この手の男性は痴漢をはじめとする性犯罪が、単に数の問題ではなく、まさに「男ならでは」の、女に対する差別意識に端を発したまさにヘイトクライムである事に思い至らないのだろうか。
特定の人種や民族の例のように、統計上犯罪率が高い(または、そういう偏見に晒されている)から問題にされているのとは、根本的に違う。
優位者にある人種・民族が、その優位性ゆえに劣位にあるものをいとも気軽に、遊び半分で加害する。それが差別でありヘイトクライムだ。
痴漢の根底にあるものは、KKKの黒人に対するリンチと同じだ。
単に経済的劣位や教育の不足を原因とする事が多い、「特定の人種の犯罪率の高さ」などというものとは全く性質が異なるのに。
こっちからしてみれば痴漢というものは「朝鮮人が毒に井戸を入れたので虐殺した」と同じだ。それは社会的強者から弱者への、見下しを元にした加害であり、そこに「あいつらは恵まれている」「自分達こそが抑圧されている、真の弱者だ」という意識があるところも似ている。
満員電車が問題?勿論、痴漢は別として満員電車が解消されるのはいい事だろう。でも痴漢はすいてる電車でもいるからな。満員電車を解消しようというのは根本的な解決にはならないと思うよ。