腹立ちまぎれに鍾路旅館放火、50代拘束令状…10人死傷惨劇(総合2報)
老化建物で夜明けの放火が被害を育てる…罪のない市民だけが被害に
50代の男性が酒を飲んで旅館に入って売春女性を呼んでくれなかったという理由で腹立ちまぎれに火をつけて、罪のない5人の命を奪っていった。
20日、警察によると、中国レストラン配達員のユ氏(53)はこの日の午前3時08分ごろ、ソウル鍾路区鍾路5街沿いの旅館に火をつけた。
この放火で5人が死亡し、5人が怪我をして近くの病院に運ばれた。
負傷者5人のうち2人は心肺蘇生法を受けるほどの緊急事態だったが、現在は安定し、命には支障がないことが確認された。
また負傷者のうち1人は2階から飛び降りてかろうじて命だけは守った。
死亡者は1階で4人、2階で1人発見された男性2人、女性3人と推定される。
ソウルヘファ警察署によると、同僚と酒を飲んだユ氏はこの日午前、その旅館を訪ねて、宿泊させて売春女性を呼んでくれと要求した。
しかし宿主のキム氏(71・女)は、お酒をたくさん飲んでいるし、旅館で売春はしないないといって、宿泊を拒否した。
それでユ氏はこの日午前2時07分ごろ、キム氏が宿泊を拒否したという理由で、キム氏はユ氏が酒に酔って大騒ぎしているという理由で、それぞれ112に申告した。
2TK89m1zJsM2gGO1513843337_1513843543 (1)
申告を受けて出動した管轄交番の警察官は、ユ氏に売春と業務妨害で処罰する可能性があると警告をした後、訓戒措置した。
しかしユ氏はそのまま帰宅せず、タクシーに乗って近くのガソリンスタンドでガソリン10リットルを購入し、午前3時08分ごろ、旅館1階の廊下の床にガソリンをまいて火をつけた。
実際、この日現場で逮捕されたユ氏は、警察の調査で「酒に酔った状態で宿主のキム氏に売春女性を呼んでくれと要求したが、拒否されたので腹立ちまぎれに犯行を犯した」と述べた。
事件の初期には、ユ氏は、その旅館によく行っていたと思われていたが、警察の調査の結果、はじめて訪問した場所だったと明らかになった。
ユ氏は「売春について考えていて、その場所に行って、路地から初めて見えた旅館に入った」と述べた。
この惨事で命を失った宿泊客の中には母娘と推定される女性もいたことが分かった。
宿主などの陳述に基づいて、警察は彼らが家族だったと推定している。
また宿泊客の中には2年長期滞在している人が二人、3日前から長期滞在するといって旅館で過ごしていた人が1人いたと警察は説明した。
今回放火が多くの人命被害を出したのには様々な要因が複合的に作用したとみられる。
まず最初にその旅館がほとんど木でできていて、スプリンクラーがないなど、老朽化した状態で、揮発性が強いガソリンに火をつけた点も被害を育てた。
さらにユ氏は一つしかない入り口から火をつけ、宿泊客がすべて眠っていた早朝の時間に事件が起きたことも人命被害を育てた要因と分析される。
警察関係者は「ガソリンをつけると油蒸気の形で空中に広がり、火があっという間に広がる」とし「遅い時刻で宿泊客が寝ていて狭い老朽建物で被害が大きくなった」と説明した。
瞬く間に広がった火炎をおさえるのも困難を経験した。
従業員と近隣の事業主たちまで出て消火器を14個ほど利用して鎮火に乗り出したが無駄で、消防士が申告後4分で投入されたにもかかわらず、完全な鎮火まで1時間ほどかかった。