2016-09-19

AO義塾がまた東大推薦入試やらかしている件

いろいろと悪い評判があるAO義塾だが、

やっていることは必ずしも悪いことではないと思う。

しかし、東京大学推薦入試対策講座については話は別だ。

前年度の合格実績の不当な操作に引き続き、今年も高くもない合格率を

「高い」と称して生徒を集めている疑いがあるのだ。

まずはおさらいから。

AO義塾が、東大推薦入試合格実績数を操作した事件だ。

2016年2月、初回の東京大学推薦入試の結果を受けて、AO義塾は、「東大推薦入試AO義塾合格NO.1へ!」と発表した。

合格者77名中、14名の合格者をAO義塾から出したのだという。

しかし、AO義塾公表数字無料講座を受講した生徒を含めたものであることがその後すぐに明らかになった。

さらにその内実は、すでに一次選考合格した者に対して提供した講座分も加えての数字だったのだ。

これは予備校業界ガイドラインにも反するだけでなく、スカイプ無料講座を受講した者も含めた、「どんぶり勘定」による数字操作ということになる。

このことが世の人の知るところになり、AO義塾の評判も見事に炎上したことも記憶に新しい。

それだけではない。

AO義塾無料講座を受講した生徒と、そうでない生徒の合格率に差がないことも判明した。

要するに、統計上「受けても無駄な講座」だと判定されたのだ。

予備校としては致命的なことである

このAO義塾の一連の事件については、以下の報道が詳しい。

<参考記事

東大推薦入試が塾に攻略された」は誤解だ 「14名合格」のAO義塾に疑問をぶつけてみた

http://toyokeizai.net/articles/-/110872

東大推薦入試の「合格実績」は誰の手柄なのか AO義塾報道矛盾真相があきらかに

http://toyokeizai.net/articles/-/110931


しかし、AO義塾は今年も始動する。

以下のAO義塾のページを見てほしい。

http://aogijuku.com/tokyo/todaisuisen2017.html

まずはAO義塾書類対策を行った塾生の昨年度の合格率を見て下さい。

1次試験合格100%(8名中8名)

2次試験合格率75%(8名中6名)

カウント対象が、「AO義塾書類対策を行った塾生」に変わっている。

それにともない、合格者数も 6名 に変更されていた。

たったの6名。

AO義塾でも、悪質性を指摘された数字操作は改めたらしい。

問題は、合格率についてである

AO義塾は以下のようにその合格率を誇っている。

特に入塾試験選抜を行わず、全希望者を東大対策クラスとして受け入れてのこの数字です。受験者全体の書類通過率は約86.1%(173名中149名)・全体の合格率は約44.5%(173名中77名)でしたから、その差は歴然としています

だが、統計上とはいえ「無駄な講座」しか提供できないAO義塾が高い合格率を出すというのは一見して不自然だろう。

その数字検証したところ、やはり、統計的有意性を持たない(有意水準 p < 0.1)ことがわかった。

まり、「AO義塾のおかげ」と言えるような、合格率の意味のある差は統計存在しないということだ。

サンプル数が少なすぎるだけかもしれないが、責任ある会社ならそれを考慮して宣伝すべきである

少なくとも、数字に誠実に向き合えば、「歴然」などとは言えないはず。

これに対して、あくま数字を単純に比較しただけと擁護する意見もあるだろう。

しかし、研究者なら捏造と言われかねないようなデータの扱いであることは間違いない。

AO義塾は、統計の基本も使えないで、研究者への道も示されている東京大学推薦入試突破できる指導ができるのだろうか。

疑問と言わざるをえない。

再検証したい方は以下の数字を参考にしてほしい。

<参考>

昨年度の東京大学推薦入試の結果

http://www.u-tokyo.ac.jp/content/400040006.pdf

増田には受験生やその保護者は少ないかもしれないが、このようなAO義塾の動きをどう考えるかは個々人に委ねたい。

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