2016-03-02

タイトルを忘れたドキュメンタリー

つの日か見たテレビ

3月になった。福島出身の端くれである俺もそわそわしている。

無論、5年前の震災のせいだ。中通りに住んでいたので大事には至らなかった(それでも死んだと思った)が、テレビで見た津波映像には流石にヘタった。

その日から現在に至るまで、原発も含め様々なニュースがひっきりなし。

当然、その日を題材にドキュメンタリーも多く制作された。地震メカニズムやその日とった行動だったり、ただ単に原発に近づいてみたものだったりと多岐にわたる。

その中で、今でも色濃く覚えているドキュメンタリーがある。が、肝心のタイトルがスッポリ抜けてしまい、

取材された人の名前も思い出せない。

津波によって破壊された砂浜に、新たな堤防を作る。それに待ったをかける人の話だ。

堤防工事に反対などどうかしてる、と思っていたが、なるほどと唸らせる理由があった。

覚えている範囲ではあるけど、その内容を書いていこうと思う。

たった一人、反対する男

「それ」を見たのは多分2012年の夏。大学夏休み、午前11時ぐらい。

時間的再放送か。CMもなかったのでNHKだったはず。

舞台岩手県

堤防工事に対する住民説明会にて、一人、工事に反対する男性がいた。

当然、反対しているのは彼だけだ。大怪我をしても絆創膏すら貼らないのと一緒だ。なのに反対を申し出た。

男性には確固たる理由があった。

理由が2つあったのを覚えている。

一つ目は、「堤防による従来の砂浜の破壊」だ。

理由は忘れてしまったが、堤防を作ることで将来そこに砂浜を失うことになる。

北海道室蘭苫小牧あたり?)で作られた堤防が紹介されていた。

実際、さらさらとした砂がなくなり、岩だらけになっていた。海で遊ぶ人もいない。

道民の人は言う。「自分達が子供のころは海で遊ぶこともあったが、今ではその文化も失われてしまった」と。

二つ目は、「津波後に誕生した生態系への危惧」。

多くの人々や動植物を飲み込んだ津波の爪痕は甚大だ。

しかし奪っていっただけではない。津波被害にあった場所に、干潟が生まれ、新たな生命が息吹いていた。

失ったものがあるのも事実だ。しかし、生まれものがあるのも事実だった。

ボランティアに対しその事実を伝えている場面もあった。

もしそこに安直堤防を作ってしまったら?文化は無くなり、誕生した生物もなかったことになってしまう。

そのような想いで勝ち目のない戦いを挑んでいた。ほかの住民業者からは「いい加減にしろ」「もう決まったことだ」のような声も飛んでいた。

それでも彼は最後まで異を唱えていた。

アイデンティティと目の前の問題

何気なくテレビをつけたら、釘づけになった1時間

正直、ノックアウトされた。泣きじゃくってたと思う。

俺が津波被災者だったら作るのに反対などしないだろう。

盲目的になるし、そこに堤防がある、という安心感が欲しいからだ。

その時もっとちゃんと新聞テレビ欄とか見ておくんだった。直接その人に会いに行くべきだった。

最近になってオンデマンドでも調べたが、そもそも震災に関する番組自体多いこと・検索キーワードがうまく出てこないこと・実際の番組放映時期が定かではないことで諦めた。

ググっても上記番組のことは出てこず...(検索が下手クソなだけか)



増田様の中に、この番組分かる方いらっしゃいませんか。

  • 気になる。 誰かタイトルが分かる人はいないのか?

  • http://anond.hatelabo.jp/20160301222437 まさか30代で恋をするとは思わなかった よい。 http://anond.hatelabo.jp/20160301194406 正しい失恋の仕方がわからない 夢は所詮夢なので、あまり気にしないほう...

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