2014-02-10

劇場版アイドルマスター感想「『M@STERPIECE』とは何か」

劇場版アイドルマスターが公開されて3週間が経過しました。

5回観ているうちに考えがまとまってきたので、自分なりにこの映画が描いたことや「M@STERPIECEとは何だったのかってのをまとめてみたいと思います

あ、でもネタバレ全開なので観ていない人は今すぐ閉じて下さい。


まず、この映画は「M@STERPIECE」で全てが収束されるように作られています

春香さんの葛藤も、可奈の後悔も志保との衝突も、あらゆる「今」が最後には「M@STERPIECE」という曲へ繋がるようになっています


ところで「M@STERPIECE」とはどんな意味でしょうか。

MASTERとPIECEに分けて直訳すると「主な部品」とかになってしまうのですが、

「M@STERPIECE」の場合は「必要不可欠な部品」といった感じの意味で使われているように思います


では「何が」必要不可欠なんでしょうか。

何が「M@STERPIECE」なんでしょうか。


その最初のヒントというか伏線は「輝きの向こう側へ」というタイトルから始まっています

このタイトルが既に「未来」を暗示していることが重要です。

次に事務所張り紙

張り紙には「未来」と書かれています

次はプロデューサー言葉です。

プロデューサーハリウッドへ行くことを皆に明かした後、春香さんとプロデューサーの2人の会話で、プロデューサー春香へ言います


未来は今の延長だ。

からこそ、今を大切に。悔いの無いように」


このプロデューサー言葉春香さんの心へ深く刺さったらしく、

この言葉が初めてリーダーを務めることになった春香さんの大きな心の支えとなります


まずプロデューサーハイウッドへ行くことになり、みんなが落ち込んでいる中、プロデューサー言葉を思い出して春香さんはみんなを立ち直しま


プロデューサーさんが安心してハリウッドへ行けるように、絶対ライブ成功させよう!」


しかし、春香さんの思いとは裏腹に本当にライブ成功できるのかどうか暗雲が立ち込めます

合宿後のミニライブバックダンサーを務める7人がミスを連発。週刊誌にまで叩かれてしまう。

それが原因でバックダンサー志保と可奈を中心にギスギスしてしまい、可奈に至ってはそれを堺にレッスンへ来なくなってしまます


でも時間は流れます。可奈が居ないままレッスンも進みます

リーダー春香さんは可奈が戻ってくる可能性を信じて待ち続けますが、現実問題として時間はどんどん無くなっていきます

そんな状況に痺れを切らした志保がついにキレます


「待つっていつまで待てばいいんですか!?

「結論なんてほぼ出てるじゃないですか!」

「…なんであなたリーダーなんですか?」


志保からすればリーダーとしてあまりにも仕事をしない春香さんに怒りをぶつけます。

確かに春香さん、ここまであまりリーダーらしいことをしていません。


流石に春香さんもこのままではアカンと思ったんでしょう。

待つだけではなく、今度は可奈へ電話コンタクトを取ろうとメールを送りますメール自体は既に何度か送っているみたいだけど「電話下さい」ってのはたぶん初めて)。

そして可奈から電話がかかってきます春香さんは一生懸命可奈を説得します。


しか春香さんの懸命な説得は失敗に終わります

この説得シーンは春香さんの懸命振りはもちろん、映画的にも尺をたっぷり取っているということもあり「これでダメならもうダメだろう」ってくらい説得します。

でも失敗します。

おそらく、このシーンが一番「雨音」が大きかったように思います


説得に失敗して春香さんが相当落ち込んでいるだろうということは想像に難しくないですが、

雨音が大きくなりながら春香さんはプロデューサー言葉を思い出します。


「今を、大切に…」


このシーンではセリフはそこで終わっていますが「悔いのないように」と続いていたことでしょう。

次の日、春香さんは可奈と直接会って話すことを決意します。それをみんなに話し協力を仰ぎます

今を大切に、悔いのないようにするためには可奈の気持ちを絶対に確かめないといけない、そう決意したんでしょう。

その結果、可奈を見付けることに成功し、可奈の気持ちを確かめるためにみんなで準備中アリーナへ向かいます


「一番後ろの人も、ちゃーんと見えてるからねー」


ところが、春香さんは可奈の気持ちを確かめるよりも前に、準備中ガラガラアリーナステージ上でそう言い、

春香さんの出した「答え」とその理由を明かし始めます


どんなステージでも一番後ろのお客さんまで意識しているということ。

でも本当は不安や恐怖を抱えてステージに立っているということ。

そんな自分を支えているのはみんなのお陰だということ。

みんなが居なければこの場所には立つことは出来なかっただろうということ。

「みんな」の名前を1人ずつ言い、そして可奈もその1人だということ。

誰か一人でも欠けていたらそれは叶わなかっただろうということ。


「私は『今』って、これまでの全部で出来ていると思うんだ」

これまでの出会いがあったからこそ今、春香さんはこの場所に立つことができているんです。


だって私は…天海春香から

数々の出会い天海春香を作っているんだと。


まり春香さんにとって必要不可欠なもの、それは『出会いであるというわけです。

出会い』こそが春香さんにとってのM@STERPIECEだったわけです。


そんな春香さんの覚悟に圧倒され可奈も本当の気持ちを曝け出し一件落着。志保春香さんの覚悟に圧倒されてしまます

その後の土手のシーンでは、土手から見える景色ライブに例え、「向こう側には何が見えるだろうね…」とこれまた未来を暗示するようなシーンが挟まれます

映画を観ている観客のボルテージもいい具合に高まります

いよいよライブかーってね。


そしてライブが始まります

「M@STERPIECE」が流れます


この「M@STERPIECE」、5分33秒と少々長めなのですがそれをフルサイズ動画にしているというだけあって気合十分の出来栄えでそれだけ泣けてくるのですが、

映画同様に「今」や「未来」を意識した歌詞になっています

作詞担当したyuraさんも映画の内容を汲みとった上で作詞されたというので、流石の一言です。

歌詞を一部抜粋します。


ずっと一日ずつ繋げよう

夢は自分を叶えるために

生まれた証だから

きっとこの心で

私のM@STERPIECE


明日は追いかけるモノじゃなく

今へと変えていくモノ

それが自分になる

私がM@STERPIECE


春香さんの場合は「出会い」がM@STERPIECEだったわけですが、「考え方は人それぞれでいいと思う」という春香さんの言葉の通り、

みんなそれぞれに「M@STERPIECE」があるんじゃないでしょうか。

それぞれの「M@STERPIECE」が今を作り、今が未来となっていく。

そういう映画の内容が歌詞に現れているわけです。

「M@STERPIECE」、大変素晴らしいと思います


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