2013-04-28

村上春樹とその新作についての愚痴(長文)

すっごいだらだらしてた時に、なんとなーく村上春樹の新作についてAmazonレビューをみながら愚痴ったメモが、翌日みたら意味不明だったので晒す。まとまりない上にばかっぽいです笑。



村上春樹、段々、一般的な感覚の人々には理解されないようなことを延々と書いてる作家になってるよねーというのは、私も思うなあ。だから、まあ評価が低くなるのもわかるなー。

結構、「純粋」な方向に、ふってきちゃってるよね。そういう(純粋すぎる)のは、狂気というにはわかりにくいんだけど、なんかなあ、真実というところからはずれてきている気がする。うーん。難しいのだけど、一般にピュアであればあるほど、正常といえる水準を超えちゃう確率は高いから。うーん。多分、あまりにも、抽象的なものってちゃんとすればすごい威力あるけど、間違えちゃう可能性は高いよね、という例と似てると思う。

しかも、小説ってもともと、正しさ(これも微妙表現だが)がわかりにくいからさ。その上で、村上春樹は、小説の中でも、あえて正しいかどうか(さらに難しい)がよくわからない方向で、突き詰めようとしているんだと思う。そしてそれが、微妙に少しずつ、本当のところからずれてきてしまっている気がする。なんとなく。

新作について触れると、このタイトル、「色彩をもたない多崎つくると、彼の巡礼の年」というタイトルを見た時、私は、これが、作者自身の慰めのために書かれたことがわかったよ。いや、だって村上春樹巡礼、絶対すきだもん。その他もろもろ、このタイトル、考えられないくらいわかりやすいよね。疲れた作者本人の心情と合致していそうだなという意味で。なんかびっくりしました。

でもさー。。。。こっからは、愚痴だけど。この人は、今まで、すっごい孤独タイプ小説家にもかかわらず、いつも、大衆に向けて、つまりノーベル賞を狙って、書いてきた人なのにね。それで、うまく大衆受けするものがかけないなーってずっと悩んできた人(推定)なのにねえ。。。。

もう少し、わかりやすく説明するために、まず、村上春樹小説家としての才能について書く。幸いなことに、小説を書くというのは、技能を向上させるための課題発見が、その他の技能と比べても最も難しい技能だと思う。要するに、どうやって練習すれば、小説が上達するのかわからないという、あの課題ね。でも、実は、この人の才能の出発点はここにある。つまりある意味で、ものすごくわかりやすいところに、いつも課題があったこの人は、小説家としての技術を「磨く」才能には、ものすごく恵まれていたともいえるのだ。つまり、一般的にヒットしそうな小説が全く書けないという課題。本当に村上春樹ってなんで、こうなんだろうねえ。

しかもさー。その上で、この人、ひたすら(下手でも)、小説を書くことに対して、わけわかんないくらいの努力家なんだよね。(これは本人の日記エッセイによる。なんでも毎日マラソン練習のようにストイック小説を書きまくっているそうだ。)

はっきりいって、その他の、突如現れる霊的なものに対する本筋から見て不必要で余計な感受性だとか、また作者の孤独に対する鈍感さからくる主人公孤独無意味さとかは、小説家の適性からみると、もうどうしようもなくだめだと思うのだけど。とにかく、その課題大衆受けしない)は誰の目にも明らかなのに、本人は全然それが達成できなくて、その上でなぜかこの人は、小説を書くことに対して非常に努力ができた。または、してきた。これが、村上春樹成功ポイントじゃないかなあ。他の人には色々な意見もあると思うけど、私は、この主張は非常に的を得ていると思うね。

さて、その上で、今回の小説に話を戻すと。この作品が珍しく作者自身の慰めのために書かれたことと、村上春樹小説家としての持ち味をちょっと考えてみると、即座にこの作品が駄作であることがわかる。だって、この人は今まで努力してきたことを捨てたわけだから。なんとか、人に受け入れられるようなものを書きたいという課題を捨ててしまった訳だから

多分、去年ノーベル賞とれなくて悲しかったのと、もっというと、ノーベル賞を目前にして色々な欲がでて、自分の持ち味とバランスを崩しているのだろうね。なんでも本屋誇大広告によると、この小説は、ほとんど筆をとめずに書かれたそうだ。そんな、当人が趣味でだらだら書いた作品が、これだけバカ売れするんだから商業小説家としては大成功だね。

まあー。村上春樹にとって、例え自分がとんでもなく寂しいことに気づいたからって、それで純粋な方向に振り切っちゃうのは、はっきりいってよくない戦略じゃないかなあ。というか、それ、青豆と天吾のストーリー、ひきづってるだけだよねー。いや、1Q84恋愛テーマじゃないから、奇跡的に、ああいうのが物語になったけど。もし恋愛テーマにするんだったら、青豆と天吾のような主人公では小説がかけないでしょー。。。。というかですね。

はっきりいって、もういい加減、孤独をつきつめた作品ではなくて、大恋愛について書くべきなんですよ、村上春樹は。だって、この人が孤独でも、全く悲しくないんだよね。もともとが孤独に鈍感な人なんで。なんとか、もうちょっと大衆コミュニュケーションとるために努力して下さい。それができないなら、今後は、本当に人に認められたいなんて思うのはやめて、出家してくださいなー。

(終)

  • 村上春樹がわからない自分にとっては面白いレビューだった。 「ファンはこんな風に読んでるのか」と。 新作はまだ読んでないけど。

  • この人「ファン」じゃないですよ。 大衆に見られる場に文章を置く場合は、もっと作品と向き合って下さい。 作家は命削って書いてるのです。それに対する答えを大衆に向かって発する...

  • http://anond.hatelabo.jp/20130428211703 村上春樹の作品が一般には受け入れられていないと言ってしまっているのは、どういうことなんだろう? 思うに、ちょうど自分にしか理解できない、こん...

    • 思うに、ちょうど自分にしか理解できない、こんなヘンテコリンな物語は自分にしか受け入れることができないんじゃないかな?と思わせるようなバランスが絶妙なのだろうと思う。 ...

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