2015-01-13

産後全然仕事ができなくなってしまったクリエイターの与太話

私は自分が手で作るものを世の中に販売して生計を立てているクリエイターである

会社に属しているわけでもなく、クライアントから仕事をもらうわけでもないので、

作り出すものを売りださなければ一銭のお金も入らない仕事である

約4年の妊活不妊治療)を経て、4年前に第一子、2年前に第二子高齢出産した。

初めての妊娠時、お腹の中でわりと順調に育ってくれたため、産む前日まで仕事をした。

活動場所を自宅にすることで、産後も働き続けることは可能だと思っていた。

もっと言えば、子供を見ながらでも仕事ができると思っていた。大馬鹿者であった。


自分出産するまで世のアーティスト歌手等が

妊娠している間、歌詞がまったく書けなくなった」「作風が変化した」云々とママ雑誌で語るのを「花畑脳乙」と鼻でせせら笑っていたのだが、

花畑脳どころか、産後の私の脳味噌は一本のシワのなくなってツルツルの風船にでもなってしまったのではないかと思うほど、

赤ん坊以外のことは、まったく蓄積されない状態になってしまった。

心底驚いた。


そしてじりじりと焦った。


とても辛かった。


実は今もとても辛い。



なぜなら、脳味噌が風船の状態は、第二子が2歳になった今も続いているかである

「全力で仕事がしたい!」と渇望しながらも、

「全力で作りたい!」と思うものが、まったく自分の中から湧き出てこないのである

これはものを作ることを生業にしている者にとって、いわゆる「スランプ」と言われるものなのかもしれないが、

子育てをはじめてから今日に至るまで丸4年、私は心底作りたいと思えるものがまるで出てこない。

産前からアイデアを元に、どうにかこうにか滲み出てくる…くらいのものをかき集めて、なんとかやっている。

でも産前の仕事量(売り上げ)から考えれば、10分の1ぐらいに激減した。


産前は当たり前に都心で過ごし、買い物をし、飲み食べして、好きなことばかりやって、

好きなことを仕事にして、好きなことで食べていけていることが本当に幸せだった。

なんのストレスもなかった。

不妊治療は確かにストレスではあったが、そこから逃げるというより、

それを上回るだけのやりがい仕事自体にあったのは幸運だったと思う。

「もし子供ができなくても、この楽しい仕事さえあればいい」とどこかで思いながら不妊治療で削がれそうになる精神を保っていた。

匿名ダイアリーから書けることだが「仕事ができなくても、こどもさえいればいい」とは心の底からは思えないので、

逆説的にやはり、子供を諦めることはできなかっただろうと思う)


現在、巷の雑誌を見ても「いまってこんな感じなんだ…」と思うだけで、

小説などは文字が脳から滑り落ちていくがごとく、まったく内容が頭に入ってこない。

いつ保育園から呼び出しがあるかと思うと、携帯の電源を切ることもできないので映画を2時間集中して観ることもできず、

常に何者か(まぁ、それはこどもたち)の目の届く場所手の届く場所すぐに駆けつけられる距離に居なければならないという感覚

どうしてもどうしてもどうしてもどうしてもどうしてもどうしても薄くなってくれない。

美容室へ行く頻度も激減して、自由に使えるお金も少なくなってきて、着る服もファストファッションほとんどになってきた。

なんだか自分がどんどんみすぼらしくなっているように感じる。

こんな私がものづくりをして人様にお金をもらえるようなものを作り出せるのだろうか、という不安が頭から離れない。



これが「母親」になったということなのだとしたら、

私の中の「ものづくりをする人」はどこへ行ってしまったのだろうか。



クリエイターデザイナーアーティストと呼ばれる類の職業をしている者は、

時代の空気やその感覚をつかまねばより良いものは作れないと思う。

インプットネットや本だけではなく、目で見て、耳で聞いて、香りを嗅いで、手で触り、肌で感じることを続けるうちに

ひらめきやアイデアや素晴らしいデザインが「降りて」きていた。

自分が心底作りたいと思える良いものアウトプットできていたのは、

間違いなくあの無意識インプットし放題な時間があったかなのだと今ならわかる。

今、私は子供健康を維持するための情報や、子供に対するより良い情報以外のことをまったくインプットできないまま、

仕事ではカラカラの体からさらに何かを絞り出しているだけの状態だ。



ああインプット洪水に溺れてプリプリになりたい。

針でさせば弾け飛ぶくらい、あらゆる情報感覚を体内と脳内に満ち満ちさせたい。



出産後、私からあのデザインが降りてくる『ギフト感』が、失われた、と感じている。

そして「それ」が戻ってくることを心底望んでいる。

しかしそれは望んだからやってくるものではないことも、わかっている。

からと言ってそれを望むことをやめてしまっては、

仕事人」としての自分が死んでしまうような気がして、諦められない。




ああ、なんだこれは。

赤ちゃんを望んでいた時と同じじゃないか。

私は赤ちゃんを手に抱けたじゃないか。

それでいいじゃないか。

なにが不満なものか。


私は結局、幸せなのだろう。







なんてことでは、この匿名日記を終わらせないよ。





不満?ええ不満だらけですよ!自分に!!

しっかり仕事できない、だらしがない自分に!!

ギフトなんかを待ち望んでいる自分に!!

もっと、きちんと「ギフト」に頼らなくてもいい方法で、お金になるような仕事の仕方を構築しなさいよ!!

バカじゃないの!!!しっかりしろ!!!


私は母親になった。もうなっちゃった。戻れないし、子供達のいない生活に戻りたいとは思わない。

もう好き放題やってていい人間じゃなくなったのは確かなんだから

働き方を変えて、効率の良いインプットの仕方に変えるしかないじゃないの。

やろう。



やるしかないんだわ。

クリエイターは、自分仕事自分で作り出せる職業なんだから



愚痴るつもりで初めて匿名ダイアリーを書いてみたら、なんか元気が出てきた。

子育ても、仕事も、頑張ろう。うん。







:::追記:::1月16日



こんな私の自分勝手独り言に、たくさんのヒントやアドバイスや応援、共感いただいたことに驚き、

今朝感謝の気持ちを綴った日記を上げたのですが、

そうすると「ネット上でたくさんの目に触れたいだけの虚構の話」と思われるのだと知り、

その記事は削除しました

匿名の良いところは、名もなき自分自由に思いを吐き出せるところでしたが、

匿名が故にどこにも信憑性はないのですから、仕方のないことですね。

それでもやはりこれを書いた時の私の気持ちは

間違いなく本当に思っていたことで、本当にこういう状態で。

短い間に私は十分、いろんな言葉もらえました

もしも今後どこかで誰かがここを見て、自分も頑張ろうと思うことがあるかもしれない

私もまたここを見て自分の糧にしたい



なので、このまま残しま

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    次のステップは諦めと受け入れだと思う。 それが大人になるということだ。 と、そのうち自分より若い人に説教するようにならないことを祈る…。

  • http://anond.hatelabo.jp/20150113151052

    いいよ、あなたのその考え方。出来なくなったら別な手段探せばいいだけだもんね。

  • http://anond.hatelabo.jp/20150113151052

    「別な手段」というと聞こえはいいけど、「できなくなった」のは変わらなくて、別な手段と言いつつ実際は「別のこと」をやることで防衛機制を働かせる感じになるよね。本当に変え...

  • http://anond.hatelabo.jp/20150113151052

    「コンバーター」や「モディファイアー」が「クリエイター」と呼ばれる社会の歪み。

  • http://anond.hatelabo.jp/20150113151052

    あと2〜3年して下の子が大きくなったら、意外と人に預けてても大丈夫なもんだね?とわかって頭切り替えて働けるようになるよ。その時には出産前とは違った視点で、以前より深いも...

  • http://anond.hatelabo.jp/20150113151052 このエントリーを書いたものです

    3日前に「産後、全然仕事ができなくなってしまったクリエイターの与太話」というエントリーを書いた http://anond.hatelabo.jp/20150113151052 時折無性にぐるぐるぐるぐるするどうにもならない...

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