はてなキーワード: ガリューとは
宇宙世紀190年代初頭の宇宙戦国時代と呼ばれる動乱の時代に生まれたMS支援AI。
当時、コロニー、地球、木星、いずれの集団も最早新型MSを製造するだけの国力は残っていなかった。
しかし、ミノフスキー粒子の発展以降あまり重用視されていなかった、情報工学の面からMSの性能を向上を目的とし、MS支援AIの本格的な製造が始まっていた。
特に木星帝国のバイオ脳技術と、サイド3のコンピューター技術は突出しており、この二カ国のAI非常に優れた性能であった。
今回紹介する「ダミアー」は、その二カ国の技術者の共同開発によるAI郡、通称ガリューシリーズの一つだ。
「ダミアー」の特徴は、既存のAI郡とは違い、特定のMS郡、木星由来のMSに特化した支援システムにある。
通常のMS支援AIは、パイロットに依存し、パイロット共に成長していくが、この「ダミアー」はパイロットに依存せずMSに依存している。
それは、木星のMS郡が特殊だったこともあるが、何より完全なワンオフ機を支援するAIという分野が未開拓だったことへの挑戦でもあったようだ。
特定のMSに特化した、MS支援AIという発想自体は悪くなく、事実「ダミアー」の量産により、木星防衛軍の任務成功率は格段に向上した。
しかし、MS支援AI全般の問題でもある「デバイスに操作を委ねられるパイロット」の少なさ自体は、以前として解消されていない。
確かに支援AIにより、任務成功率という観点では向上しているが、パイロットの精神的安定性とも言える指標値は下がってしまった。
これは、時に人を殺す事を躊躇しないことが求められる戦場において、自分の意志ではなくAIの意思が加入することへの嫌悪感にあると言われている。
宇宙世紀170年前後に見られたニュータイプでもサイキッカーでもない、新たな人類の可能性として持て囃されたデバイスを高度に操れる人種も、またニュータイプやサイキッカーのように何時しか廃れ、ごく一部稀に見られる兵士の一要素でしかなくなっていた。
宇宙世紀が始まって200年という節目が近づいてもなお、人類の革新、人類の進化、というお題目は言葉が大きすぎるのだろう。
だが、モビルスーツではない新たな機動兵器(マン・マシーンと呼称されるらしいが、詳細は不明)を開発している集団があるという噂もあり、この動乱はまだまだ終わりが見えない。
そんな我々を、AIであり、人類が作った存在である彼女たちは、どう思っているのだろう。
なお「ダミアー」を始めとするガリューシリーズには、通常のマスターとして使えるパイロットの他に、
「アークマスター」と呼ばれる、ガリューシリーズのAIが共通して信奉する人物が存在する。
「アークマスター」はガリューシリーズ以外にも数多くのAIの開発に携わっており優れたAI技術者であると同時に、優れたMSパイロットでもあったため、AIに戦闘を教育する過程で、そう呼ばれるようになったらしい。
そんな「アークマスター」が最初に製造したAIが、愛らしい少女の姿だったことが、今もなおMS支援AIのグラフィックがそのような少女の形をしていることの由来である。