はてなキーワード: カイ二乗検定とは
北田が最初に示したのは操作定義なんかではなく、「2章議論の復習」(北田 2017:262)だよ。
2章を読めばわかるけど、アニメを趣味に選択したこととアニメがきっかけでできた友達がいるの偏相関係数が比較的高い。
そのことから「友人関係の連関が密接」(ibid:100)と考えるのは飛躍しすぎではない。
また、趣味の組み合わせでカイ二乗検定を行った結果「アニメ×マンガ」「アニメ×ゲーム」で正の関係があったことから(ibid:101)、マンガの二次創作に興味がある≒アニメの二次創作に興味があるとしたことにも飛躍はない。
勿論完全には重ならないのも確かなんだけどね。
ただ、趣味で繋がる人間関係がどんな感じなのか肌でわかってないという意見には賛同できない。
北田がなぜこの調査を行ったかと言えば「ブルデュー理論の濫用」(ibid:13)のカウンターであり、「「ブルデュー以降の、新しい文化社会学の方法基準」を提示しうる教科書」(ibid:17)として出版されたわけで、何か具体的な仮説を元に調査されたわけではない。
だからこそこの本はインタビューのような質的調査とは異なる視点からアプローチをかけている。
ここらへんは文化社会学の「文脈」って奴だけど、昔の研究は実践者たちの言説のみを重視してたけど、近年の研究では逆に批判の的になる(例えば、辻 泉・岡部 大介・伊藤 瑞子編,宮台 真司監,2014,『オタク的想像力のリミット: <歴史・空間・交流>から問う 』筑摩書房)。
この本も同じで、実践者たちの直感なんてあやふやなもの(例えば増田がいった「オタクの本質」ってなに?)だけに頼らなくても良くない?ということが言いたいんだと思う。
何かおかしいんじゃないの?ってあら探しで読むより、こういう仮説も立てられるかもねって視点で見た方がよっぽど面白いし、増田のためにもなるよ。
同意するかはまた違う話だけど。