男らしさから降りるだの何だの言われてるけど、そもそも自分を男らしいと思ったことがない。だから今のフェミの言ってること聞いても他人事としか思えない。
子どもの頃から運動嫌いだし、ずっと身体には贅肉がついていて見た目がシュッとしていたり筋肉質だったりしたことなんて一度もない。文系科目が好きで数学や物理は苦手、大学でも金にならない人文系の学問を専攻して経済的に安定しない職に就いてる。中高時代には萌えオタは気持ち悪い趣味であって男らしい趣味という扱いではなかった。当然彼女とかいたことがないし、素人童貞とかではなく普通に童貞。幼児時代には恐竜が好きだったから、それが男らしいと言われたらまあそうかも。でもそれぐらい。
だから、男らしさから降りろとか言われる度に、「??? 俺はまったく男らしくないけど何から降りればいいの???」って感じ。「いや、別にお前には言ってない」っていうなら、あっそう、で終わりなんだけど、男全体に向けて呼びかけてるってことは俺も入ってるってことだよね。なのでこう、降りるだの何だのという抽象的なお念仏ではなく、生活実感に即した主張をしてほしいというか……
当然、フェミの人たちが「男らしさ」や「女らしさ」を前提にして主張していることにも納得がいかないことが多いんだよね。
トランス女性の問題とかで「男の方が力が強いのだから」云々という理屈を聞かされる度に、子どもの頃に年下の女との力比べで負け、成人してからも同じ相手に普通に負けた身としては「いやいやどう考えても俺みたいな腕立てもできない運動不足マンよりその辺の部活帰りの女子高生の方が力強いだろ」って思っちゃう。男女入り混じったグループで旅行したとき、最初に音を上げて「ごめん疲れたからちょっと待って」って言ったの男の俺だしな。もちろん平均の話をしてるのはわかってるんだけど、外れ値の人間としては白けちゃうよね。虚弱な男からすると「肉体的に男だからって女より強いとは限らないんだからトランス女性も普通に女性競技に参加すればいいじゃん、反対してるのはただの差別主義者でしょ」って感じ。
STEM系に女子が少ないとかの話を聞く度に「いやいや性別にとらわれず好きな学問をやりなさいよ」って思っちゃう。俺は人文系科目が大好きだから人文系を選んだのであって、性別とかを気にして選んだのではない。物理が好きな子は男女問わず理系学部に進めばいいし、文学が好きな子は男女問わず文系学部に来ればいいじゃん。理系学部に女子を増やそうとか余計なお世話すぎる。子どもの進路選択はまずその子がどんな教科が好きかを基準にするべきで、物理が好きな女子や文学が好きな男子の進路が性別を理由に諦めさせられるようなことはもちろん防止されるべきだけど、そういう消極的な予防措置以上の措置は必要ない。どんな教科を好きになるかはその子の自由であって、そこに介入しようとするのは間違ってる(どの教科を好きになってもいいように選択肢を増やすのには賛成)。
他にもいろいろ言いたいことはあるけど、この2点に関しては「男は力が強い」とか「男は理数系」みたいなド直球のジェンダー・ステレオタイプに基づいてるから、虚弱な文系の男としてはどうしたって反発が先立つんだよな……