80分約3万円で本番やるところだったんだが、後半10分ぐらい俺は断続的に泣いていた。
俺はバキバキの素人童貞で、自らの射精キャリアの殆どをオナニー(悪名高い床オナ、ここ一年ぐらいは床オナ封印して緩めのオナホ)でこなしてきた。
対人風俗歴は昨日入れて4回しかなく、デリヘル2回にソープ2回。対人で射精できたのはデリヘルの手コキ1回のみ。それ以外はいつも射精への挑戦と挫折を繰り返し、最後は抱き合ったりして終わっていた。(そしてそれを半ば言い聞かせるようにして自分を納得させていた節があった)
フェラや素股ではイクほどの快感はなく、中に入れてもしばらくするとフニャフニャになってしまう。(これは俺の「またいつものように中折れするかも」という不安が先立っている事も理由としてあるかもしれない)
昨日のソープも案の定中折れが発生し、心の中でいつも通り溜息をついたのだが、そこで俺は何故か「自分がイケた事がろくにない」と言う事を目の前のソープ嬢に吐露していた。
「ごめんね、しぼんじゃった。……実際、隠してもあれだから言うけど俺中でイケたことないんだよね。デリの手コキぐらい」
のような感じのことを一息に言って、それを聞いた嬢はえぇーと言っていた。
今まで昼の知り合いはおろか、風俗関係にも誰にも言ったことの無い秘密を、なんで今言っちゃったんだろう、とその時ぼんやりと思った。
ぼんやりの理由は、告白した瞬間に急に涙が滲み出してきたから。完全に予想外の涙だった。
涙の理由としてはイケない惨めさが大きかったけど、その中には少しだけど確実に、解放感があった。
こんな事言い出してキモいんだけどさ、と前置きして、俺は嬢に「イケないのが自分の中で凄くコンプレックスになっている事」「イケないという告白を何故か君に言ったけど理由は良く解らないこと」「抱きしめさせて欲しい、その上で泣かせてほしい事」をポロポロっと口走った。
嬢は泣かれると対応に困るから泣かないで〜と言っていたが、俺はお構い無しで嬢を抱きしめて涙ぐんだ。
嬢はそんな俺に対して、そんな事ありふれた事だから気にするな、泣くな、と言ってくれた。
ソープ嬢の仕事でイケない客なんて大勢見てきた。一回もイッた経験無いと言う客だっていた。気に病むほどのレアケースですらない、と。
自分の心の中でも「イケない男は実際いっぱい居るし……」という慰めはとうに作っていた。
でもそれは何処か空虚で、慰めにならない慰めだった。自己肯定感の低い人間が自分を自分で慰めたって元気付けられはしない。
でも嬢は今まで自慰に過ぎなかったその慰めに、同調する事で自分という存在をもってある種の重みを与えてくれた。たった1人分の客観性だけど、その瞬間に俺の自慰は「慰め」に変わった。
この問題に関して確かに存在する「個」としての味方が初めてできた事に、俺はまた泣いた。n=1だが、その嬉しさを初めて知って泣いた。だんだん流れる涙の意味が変わっていっているのをひしひしと感じていた。
最初と違って今は嬉しくて泣いていると伝えると、嬢はまた慰めてくれた。
朝からずっと待機してても1日客がつかない子もいる、プライベートで問題ある同僚の嬢もいる、でもみんなそれでも次の出勤している。
みんな色々抱えてるなかで、問題を解決するのには諦めないという事が絶対必要だから、あなたも諦めずHし続けるしかないよ。
最初に何の期待も不安も持たず、ただHして、イケなかったら「でも次はイケるかも」って考えるぐらいでいいんだよ。
それを聞いて、咀嚼して、俺は今日3万払って着て良かったと思った。
はっきり言ってソープ嬢としてはハズレの部類だった。ブスだし年齢詐称激しいし終始小馬鹿にした感じでプレイするし、なんかよそよそしくて時間稼ぎされてる様な感じもあった。何ならちょっとムカついてた。
でも、印象の良い嬢だったらイケない事告白して無かっただろうと思う。ましてや泣いてない。数十分経ったあとでも距離がある「他人」だったから、俺は自分の暗い部分をふっと投げつけられた。
「諦めない事」「フラットでいる事」「次を信じ続ける事」なんて模範回答すぎて陳腐ですらあるが、俺には刺さった。でももうその時には嬉し涙は出なくて、代わりに微笑みが出た。
今日来てよかった、感謝してる、ありがとうと言っていたら時間になった。
男も文章長いな…
いいえっちしたやんけ これは自慢になる話やわ
嬢が外れだと思ったからこそ見栄を張らずに弱い面を晒すことが出来て、結果として嬢に救われたのかもね
見栄張らずに泌尿器科行ってシアリス処方してもらってこい