先日、ここ十数年使っていなかったMIXIからメールが届いていることに気がついた
この同級生とは十年前に参加した同窓会にも参加していなかったため、40年以上没交渉
ならば宗教勧誘かなにかと思ったものの、一応中身を確認してみた
はて、何かあったかと思い出をひねり出してみるも何も出てこない
むしろ同級生の顔すらおぼろげで、そもそも同級生だったのかすら怪しい
同学年であったことは間違いないのだが
流石にこのご時世、得体のしれない相手と直接交渉する気にはなれないので、謝罪内容を書いて寄越すように返事をしてみた
何度か直接会って話すと拒否されたものの、没交渉が長かったこと、このご時世対面したくはないことを伝えると、
すると、私にとっては黒歴史と化していた事件の事実が書かれていた
数ヶ月前に自分の子供が冤罪をかけられクラスメイト、教師から疎まれて心を病んでしまったこと
ここで過去に自分が犯してしまった罪を思い出し、謝罪を思い立ったこと
そうだ、長らく忘れていたが、自分が人を信じなくなったのはこの当りだった
当時、学級文庫は係が貸し出しノートに記載し、返却の際には係に告げ、返却を確認することになっていた
当時人気の本を借りた私も読み終わって返却した
だが、その本がなくなったのだ
人気の本だったので、順番待ちしている生徒多く、ついには騒ぎになった
だが、所詮は子供、最後に借りた人間が犯人であると騒がれてしまったのだ
結局、担任教師も私の話なぞ聞かず、家に忘れてきたのだろうと責め立てられた
当然その教師から親に連絡が行き、家中探させられたのだがあるはずもなく
最終的に親が二冊学級文庫に寄贈するということで話が付いたことを覚えている
教師と親との間でどんな話が持たれたのかは一切知らない
私はこの事件を切っ掛けに借りた本を無くした悪いやつ
という悪のレッテルを張られたまま数年を過ごすこととなった
そして同級生のみならず、教師と親の信頼も信用も同時に失ったのだ
流石に中学校に上がってからは思い出話にも出てこないようなものではあったが、
それ以来と言っては大げさかもしれないが、物の貸し借り、出納には厳しくあたってきた
全てを記録したがる癖はこの時身についたのかもしれない
同級生の贖罪の気持ちはわかるが、これは自分が楽になりたいだけの謝罪であることは明白
子供が似たようなことに巻き込まれてようやく自分の犯した罪の重さに気が付き、
その重さに耐えきれなくなって没交渉の相手に連絡をとってきたのだろう
この同級生に直接謝罪の機会を設ける代わりに子供を同席させる、とか
誠意が見えないと暗喩してみる、とか
色々頭をめぐるものがあるが、そんなことをしてみたところで私の失った信頼と信用と人生は帰ってこない
だが、それを伝えれば、きっと、40年も昔のことを未だに恨んでいる器量の狭いやつと揶揄されるだろう
当時私を糾弾した人間全員に釈明してこいというのも一興かもしれない
結局、私は同級生に返事を書けずにいる
今更謝罪などされても、何も変わらず、私としては胸のモヤが深まるだけだ
同級生の禊を手伝う気にもなれない
子供のことと私のことは別の話であること明白だが、親の因果が子に報いが思い浮かぶ程度には気の毒には思っている
ただ、同級生には今後40年は苦しんで貰うほうがこちらとしても溜飲が下がる思いだ
私は40年目の真実を胸に前に進むことにする
例え残された人生があと僅かであったとしてもだ
少々ポエムチックになってしまったが、家族知人に話せる内容でもなく、
許されてスッキリしたいだけのオナニーに付き合う必要は全くない。