2021-01-21

40年目の真実

先日、ここ十数年使っていなかったMIXIからメールが届いていることに気がついた

差出人は小学生の頃の同級生

この同級生とは十年前に参加した同窓会にも参加していなかったため、40年以上没交渉

ならば宗教勧誘かなにかと思ったものの、一応中身を確認してみた

 

すると、自分に40年前の謝罪をさせて欲しいとの事

 

はて、何かあったかと思い出をひねり出してみるも何も出てこない

しろ同級生の顔すらおぼろげで、そもそも同級生だったのかすら怪しい

同学年であったことは間違いないのだが

 

しばらく放置しておいたものの、毎日メールが来るようになった

兎に角会って謝罪がしたいの一点張りで、埒が明かない

流石にこのご時世、得体のしれない相手と直接交渉する気にはなれないので、謝罪内容を書いて寄越すように返事をしてみた

何度か直接会って話すと拒否されたものの、没交渉が長かったこと、このご時世対面したくはないことを伝えると、

ようやくメール謝罪内容が届くこととなった

 

すると、私にとっては黒歴史と化していた事件事実が書かれていた

 

小学生の時起きた、学級文庫紛失事件犯人自分であったこ

早く読みたい一心で、黙って持ち帰ってしまたこ

事が大きくなり、事実を言い出せなかったこ

本も返すことができず、いつの間にか紛失してしまたこ

しばらくは気にしていたが、忘れてしまたこ

 

数ヶ月前に自分の子供が冤罪をかけられクラスメイト教師からまれて心を病んでしまたこ

ここで過去自分が犯してしまった罪を思い出し、謝罪を思い立ったこ

 

以上のことが、実に自分本位の身勝手文章で書かれていた

 

要は因果応報、親の因果が子に報いを地で行ってしまったらしい

 

そうだ、長らく忘れていたが、自分が人を信じなくなったのはこの当りだった

 

当時、学級文庫は係が貸し出しノート記載し、返却の際には係に告げ、返却を確認することになっていた

当時人気の本を借りた私も読み終わって返却した

だが、その本がなくなったのだ

人気の本だったので、順番待ちしている生徒多く、ついには騒ぎになった

最後に借りたのが自分であったため、未返却を責められた

しかし、自分は返却済みであり、本の行方なぞ知る由もない

だが、所詮子供最後に借りた人間犯人であると騒がれてしまったのだ

 

結局、担任教師も私の話なぞ聞かず、家に忘れてきたのだろうと責め立てられた

当然その教師から親に連絡が行き、家中探させられたのだがあるはずもなく

最終的に親が二冊学級文庫に寄贈するということで話が付いたことを覚えている

教師と親との間でどんな話が持たれたのかは一切知らない

 

私はこの事件を切っ掛けに借りた本を無くした悪いやつ

公共のものを大切にできないやつ

という悪のレッテルを張られたまま数年を過ごすこととなった

そして同級生のみならず、教師と親の信頼も信用も同時に失ったのだ

 

流石に中学校に上がってからは思い出話にも出てこないようなものではあったが、

私の人生に闇を落とすには十分な事件ではあった

 

それ以来と言っては大げさかもしれないが、物の貸し借り、出納には厳しくあたってきた

全てを記録したがる癖はこの時身についたのかもしれない

 

話を戻すがこの同級生への返事はどうしたものかと頭を悩ませた

同級生贖罪気持ちはわかるが、これは自分が楽になりたいだけの謝罪であることは明白

 

子供が似たようなことに巻き込まれてようやく自分の犯した罪の重さに気が付き、

その重さに耐えきれなくなって没交渉相手に連絡をとってきたのだろう

 

この同級生に直接謝罪の機会を設ける代わりに子供を同席させる、とか

誠意が見えないと暗喩してみる、とか

 

色々頭をめぐるものがあるが、そんなことをしてみたところで私の失った信頼と信用と人生は帰ってこない

 

この同級生を許せるかと言えば、許せるわけがない

私の人生、とりわけ感受性の高い子供の頃の話だ

覆水盆に返らずとはよく言ったもの

 

だが、それを伝えれば、きっと、40年も昔のことを未だに恨んでいる器量の狭いやつと揶揄されるだろう

特に私を糾弾した他の同級生はそう感じるだろう

彼らもまた、人の人生など砂粒ほどの価値もないのだから

 

当時私を糾弾した人間全員に釈明してこいというのも一興かもしれない

 

結局、私は同級生に返事を書けずにいる

 

今更謝罪などされても、何も変わらず、私としては胸のモヤが深まるだけだ

同級生の禊を手伝う気にもなれない

子供のことと私のことは別の話であること明白だが、親の因果が子に報いが思い浮かぶ程度には気の毒には思っている

 

ただ、同級生には今後40年は苦しんで貰うほうがこちらとしても溜飲が下がる思いだ

私は40年目の真実を胸に前に進むことにする

 

例え残された人生があと僅かであったとしてもだ

 

少々ポエムチックになってしまったが、家族知人に話せる内容でもなく、

さりとて同級生本人に直接ぶつける勇気もない

敢えて匿名という形で世の中に発信してみたのである

 

  • 許されてスッキリしたいだけのオナニーに付き合う必要は全くない。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん