10代からオタク文化に頭の先まで浸かって大学でフェミニズムを勉強した女です。
ネット上で頻繁にいわゆる「萌え絵」が適切か否かを巡って炎上しているけれど、そこでの対立はおおよそ男性のオタクvs女性で非オタクのツイフェミという構図になっていて、オタクでフェミニストで女の私みたいな存在はいないことになってるなぁ…と思う。
https://note.com/dokuninjin7/n/n7ce1f56328e5
青識さんのnoteを読んでもそう感じる。
最後の「フェミニストの皆さん、オタクを踏んでいる足をどけてください」の辺りも、これじゃ私が私を踏んでいるのでは…と思い若干頭を悩ませた。
ネット上の論争をあーだこーだ言うのはしょうもないことかもしれないが、とりあえず思った事を言っておこう。
「萌え絵」炎上を男vs女、オタクvsフェミニストのような二元化しないで欲しい。
「萌え絵」が炎上した時のネット論争は大抵「これだから女/男は〜」のような語り口になる。しかし、企業や団体が炎上している場合少なからず炎上した側・させた側双方に男性も女性も絡んでいると思う。
例えば記憶にあたらしいATSUGIのラブタイツ炎上なんかだと、炎上した側の企画者は女性という情報が出ていた。
https://originalnews.nico/216814
勿論この方のみならず、企業が出す企画なら複数の社員が関わっているわけで、男性も女性も絡んでいるのにも関わらず炎上してしまった。
この時点で男性の企画vs女性消費者のような構図は崩れたわけである。
そしてオタクvsフェミニストという部分もだが、自分はオタクだがこの企画は無しだと感じた。ここでもうオタクとフェミニストの二元対立は(自分の中で)無くなってしまった。
投稿されたイラストはとても可愛かった。可愛かったんだが、どうしてタイツを履く側に向けたPRで、「タイツを履いてる女の子可愛いよね!!」みたいなイラストを提示してしまったんだろうか、と疑問だったからだ。
履く側からしてみればタイツはファッションの一部だし防寒具だし、別に人に見られるために履いているというわけではない。
ただこれをイラストで表現するのはとても難しい。イラストにするとどうしても第三者目線から「タイツを履いた人を見ている視界」を描くことになる。そうした時、フェチズムを表現することに特化した「萌え絵」のお作法で描かれたイラストはどうしても「タイツを履いた人が性癖に見える人の視界」になってしまう。
だからあの企画で投稿されたイラストの多くは、タイツのPRではなく「タイツを履いた人」のPRに見えた。タイツを履く"主体"側ではなくそれを"客体化"した側の企画だと感じたのである。
あれがタイツ同人誌のPRだったらそれでも良かったんだが、履く側の気持ちに寄り添うべきだった企業のPRの点を考えると、あれは違ったよなぁと今でも思う。
こういう調子で、オタクでフェミニストの自分は内々的にどちらの視点でも物事を見ている。というか、私以外の人だって色んな属性を持って物事を見ているわけで、一度あるサイドからの意見を出したからってそれが自分の全てではない。
しかし、こうした炎上を誰かが分析する時、殆どが賛成派と反対派を男女、イデオロギーで完全に分けてしまっている。結果としてその中間にいる人間はかなり透明化されてしまっている。
別に自分は「女だから」批判したわけじゃないんだけどなぁ…私もオタクなんだけど…と、炎上した側・させた側双方の意見を読んでいてそう思う。
だから、二元化するのは楽なんだけどそうじゃない、というのをもう少しネット論客の方々には考慮に入れて論を展開してくれないかな、と期待している。頼みます。
分断煽りなんだから簡単に分断できないような存在はいないことにした方がラクなんだよ
元増田です。確かにそう考えると意図的に議論から外されてるかもしれないですね。分断煽りに気をつけます。ありがとうございます。