2020-10-24

オンリーワンジャンルじゃなくなる

例の「同人女」の最新話を読んだ。

自分と似た感情を抱えた登場人物につい感情移入してしまい、これは同人あるあるなんだなと胸を撫で下ろすと同時に自分アンチになってしまっているのだろうかと不安になった。

どう見ても自分は「嫌なやつ」じゃないか

今の感情を整理するためにここに書いておくことにする。

数年前、いくら探せども自分萌え合致する創作がなかったので活動を始めた。

ちなみに今まで大きな版権ジャンルにいたがずっとオン専で、アンソロに誘われることはあっても自分サークル参加して同人誌を発行するなんてことはなかった。自分オフ活動をしなくてもたくさんの神たちが様々な物語を紡いでくれるだけで満足するたちだったのだ。

しかしこの創作ジャンルではそうもいかない。オンでいくら探してもみつからない。

それならオフで探すしかないと考え、初めてサークル参加を申し込み初めて同人誌を作った。

今見返しても拙い出来だがとても萌える。最高だ。自分最高。

そう思いながらサークル側として初めてのイベントに向かった。

自分ジャンル創作の中のオンリーワンジャンルだということに気づいたのはその初めてのサークル参加である。お隣さんは全く縁もゆかりも無いジャンルだった。どう配置するか悩まれたんだろうな。

通りがかる人に物珍しい目で見られる度に、見切り発車で参加してしまたことをちょっと後悔した。あれって結構恥ずかしい。

後日SNSエゴサしていたら「〇〇(自ジャンル)描いてるサークルあったwww」って書いている人がいてそういう扱いなんだ…って少し悲しい気持ちになったが、それもやる気に繋がった。ネタで描いている訳じゃないと見返してやる、そういう感じだった。

同人誌は数冊しか捌けなかった。でも自分以外に需要があることが分かって嬉しかった。初めにあった恥ずかしい気持ちはどこへやら、撤収する時は清々しかった。

それから何度もサークル参加していくうちに段々捌ける部数が増えていって、大変ありがたいことに固定ファンもついた。我ながら気持ち悪いが、もらった感想は何らかの形で保存している。自分以外にこのジャンル萌えてくれる人達がいるのが嬉しくて嬉しくてしょうがない。

まだまだ物珍しい目で見られるが、イベント中はほぼずっとサークル前に人がいるので気にならなくなった。

いつしかこのジャンル第一人者、みたいな自識が出てきてしまっていたのだと思う。これこそ「わしが育てた」だ。だってひとりしかいないし。


見てくれる人が増えるにつれ、「自分も描きたい」という人が出てきた。

ジャンルで仲良くしていたフォロワーである。私がひとりでせっせと楽しく自家発電している様が気になっていたようだ。

初めは私の所謂「うちの子」の二次創作をしていたが、段々彼女なりの世界に落とし込み、自ジャンル創作シフトしていった。

明らかにこちらの創作の影響を受けていて、しかも上手い。めちゃくちゃ可愛いんだ、これが。

私があんなに悩んだデザインも設定も、その由来になった諸々を知ってか知らずか見事に使われている。

私はそれが私だけのものだと勘違いしていたのだろう、自ジャンル創作が増えることに喜ぶよりも先に愕然とした。

私のフォロワーは挙って彼女フォローした。私の固定ファンになってくれたこの人もあの人も。宝物をみつけたかのように彼女創作を褒めちぎる。

私の友人というのもあるのだろう、私のものと似通っていても私がそれを嫌がっているとは誰も思うまい。むしろ私がそれを喜んでいると受け取っているのだと思う。自ジャンルが増えたんだから当たり前だ。

でも題材が同じとはいえ解釈が違う。違うのだ。私は自分創作ベースに新たな世界観を提示する彼女創作を受け入れられない。

自分の手から完全に離れた彼女創作自分創作と似た点をみつけるだけで苦しくなる。

ジャンル(題材)が同じなんだから仕方ないしそもそも私だけのものじゃないのだから

彼女フォローして自分フォローしてくれない人、あるいは彼女の方を先にフォローする人にまでむっとするようになった。やばい

彼女は今度サークル参加をするらしい。

彼女は「あなたが素晴らしさを教えてくれた」「隣のスペースになるの楽しみ」と言ってくれるが、私は嬉しさと嫉妬とでおかしくなりそう。

なんだかんだでオンリーワンジャンルは楽だった。創作のことだけ考えていればよかった。

次のイベントは初めてのオンリーワン脱却。ジャンルのことを考えれば喜ばしいことである

でも、活動開始当初に思っていたよりも楽しみではない。自分はやっぱり「嫌なやつ」なのだ

  • この人は一次創作っぽいけど、二次創作は全て原作者の世界を拡張したもので、原作者に嫌がられる可能性は非常に高いんだよな…。

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