ひたすらに虚無だった。
というだけのただの愚痴です。まとめる気もない。
多分こんな状況下で座組の皆さんもかなり苦労して稽古したんだと思うし、やってくれたことには深く感謝している。
でも、虚無だった(9割主観)。
そもそも舞台というものは、観る側の協力が不可欠なコンテンツだというのはわかっている。その理論でいけばあの舞台は別段虚無ではなかったのかもしれない。
ただ私があれを受け止める気持ちになれなかっただけで。
自粛期間が続いたせいで観劇スイッチが切れていたのかもしれない。そうかもしれない。わからない。
とにかく言えることは、私はあの舞台を見ている間中虚無だったし、共感性羞恥で2時間客席で消えたくなっていたってことだ。
そんなことここでわざわざ匿名で書かなくても、と思われるかもしれない。
でも、Twitterで繋がっているファン仲間はみんな「今回の推しもやばかった!」と満足気だしとても言い出せない。
ここで言わせてくれ。頼む。あの舞台は虚無だったし、推しを差っ引いてもお金返してほしかったし、クライマックスではひたすら下を向いて何も視界に入れないようにしていた。ごめんなさい。
特に終盤の推しのセリフは虚無舞台の中でも虚無じゃなかったし、これこれ!!と、一瞬オタク(私)を生き返らせた。感情の持っていき方、抑え方、緩急のつけ方、これこれこれだよ!!!と。
よい役者さんも沢山出ていた。そういう方々に巡り会えただけでも感謝すべきなのかもしれない。
しかし、オタク(私)はまた虚無に飲み込まれていくのであった……
虚無舞台でどうにもつらいのって、舞台からにじみ出る独りよがり感なんじゃないだろうか。なんだろうな、あれ。お客さんを置いていかないでくれ。ごめんそのノリ全然ついていけない。
まず、とにかく説明が多かった。
そこは要らないから!!!!ってとこまでとことん説明する。匂わせるということを知らないのか。10を伝えるために20話してる感じ。言葉にならないからエモいという単語が生まれるのであって言葉にされると冷める。ごめん。
一事が万事そう。
10を伝えたい時に、1を徐々にいろんなところに散らばせて、最終的に7くらいまで形づくっておくのか伏線なんじゃないかと思うんだけど、今回の舞台では5と5を隣において、はい伏線!!だった。
なんなら伏線回収の時も「これ、コレとコレで!!!ほら!!!10だよ!!!10!!すごいでしょ!!!!!」の勢いだった。
みんな知ってた。
人物紹介も長い。始まってから40分くらいずっと登場人物を順に紹介してるだけじゃなかったですか??の、わりに個々の登場人物のエピソードにどうしてか説得力というか現実感がなくて愛着わかないし。
説明長いわりに人の行動は謎なとこも多いし。
なんなんだまったく。
あと申し訳ないんだけどセリフが聞き取れない。情報量が多いのに早口でがなりたてる言い方が多くてついていけない。
せめて伝えようとしてほしいし、演出は伝わるかどうか吟味してくれ、しましたかねすみません素人がこんなこと言って。
なによりつらかったのが盛り上がりの急さ。登場人物に大した愛着もわかず、話の内容にもあまりついていけていないのに、話はどんどん進んでクライマックスに近づいていく。舞台の上のキャラクター達は悲しんだり苦しんだり葛藤したりしている、らしい。
そういう表現をしていることはわかるが、なぜそこまでの気持ちになっているのか全くわからない。そして無駄に人が死ぬ。人を殺して盛り上げるな!!!頼む!!!!
人が死ぬ!(え、なんか急に人死んだ)
人が叫ぶ!(なんか大変そうだな…?)
人が苦しむ!(大変そうだな)
人が泣く!!(あ、泣いてる)
それはわかる、が、なに?
観客を泣かせたいんだな、観客を驚かせたいんだな、ということしか伝わってこなかった。本当にそれしか伝わってこなかった。
こうしたら感動的だからこうしよう、こうしたら意外性があるだろうからこうしようetc.
その意図がどこまでも伝わってきてしまって非常につらかった。ここ、共感性羞恥ポイントです。その狙い、バレてます。偉そうですみません。
狙ってるのがわかっても、その意図通りにまんまとひっかかったら清々しく泣けるし驚けるけど、下手なんや狙い方が(ゴメンなさい)。
というかあの狂言回し的立場の人は一体誰。結局もう1人のあれはなに。
なに、なにが、なんだったんだあの舞台は……
最後に、演出家で検索したらその作品が再演であったことがわかって絶望した。
嗚呼。