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東京の段階的な緩和の目的は新型コロナウイルスの「実効再生産数が1を下回る」経済活動の範囲を探ること。
ステージ3がNGでステージ2がOKとなった時に、じゃあワクチンができるまでステージ2にしておくことができるかと言ったら土台無理な話で、ではステージ分けにどんな意味があるのかというと、少しずつ緩和することによる人々の行動変容とそれによる実効再生産数の変化から次のアクションを決めることだろう。
「ハンマー&ダンス」でいう「ダンス」の仕方を探るための社会実験中とも言える。
まだ結論は出ていないものの、おおよそ現時点での緩和状況では実効再生産数は1を上回ることは確認できたのではないだろうか。
つまり想定していた理想的な経済活動の開始を行うことはできない、とわかったということになる。
こうなると、「ダンス」の状況で経済活動と再生産数のバランスをどうとるのか、あるいは別の方法で再生産数を下げられないか、という議論になる。
経済活動を抑えるのは市民感情的にもう厳しいだろう。予算にも限界があるから継続的な給付金のバラマキはもう他の手段がなくなった時の最後の手段だ。
では再生産数の増加を放置しておいて良いのかというと、このままではあまりに「ダンス」の期間が短すぎる。
他の手段で再生産数を下げる方法を探すしかないが、個人の感情に訴える作戦は十分に効果を発揮してきたものの、これ以上の効果は見込めないだろう。
ではどうすれば良いか。
結論としては「再生産数が高い業種の無症状患者を積極的に捕捉する」しかないだろう。
いろいろ考えたが人権を守りつつ行える施策がこれ以外に思いつかなかった。
PCR検査の感度を考えると意味がないという人がいるだろうが、あくまで「実効再生産数の低減を狙い、全体としての再生産数が1を下回ることを期待する」という作戦だ。
飲食店従事者は定期的な検便が義務付けられているが、それと同じように業種を指定してPCR検査による検査を必須とする。
新規感染者数が0に近づいているタイミングではそれによる医療崩壊は起こらないはずだし、感染が広がっていない状況ではコンタミの可能性も低くPCR検査の特異度は十分に高いとみて良いだろう。
「PCR検査は限られたリソースであるので効果的に行うべきだ」というのは過去の議論で、第1波を都民全体の協力で乗り越えた今、持続的な社会活動を行うために必要なのは「1日10万〜100万単位のPCR検査能力」だ。
陽性者が当たり前のように出てくれば、それを前提とした社会となり、不必要な差別も減るだろう。
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ちなみにこの話は「新規感染者が十分に0に近く、無症状者の受け入れ先や医療リソースに余裕が出ている状況」での話で、市中感染が広がってきた現時点では医療リソースが足りなくなる方が怖いので今やるのは少し怖い。
まずは次の持続的な社会を共有した上で、1ヶ月程度の自粛を要請したい。これには給付金も必要だろう。
それが終わったら、もう一度全員で「実行再生産数が1を下回る」社会を作っていくのだ。
今回の東京の緩和は失敗した(かもしれない。本当にわかるのはあと2週間程度だろうか)。
それは悪いことではないし、緩和したことで初めてわかったことも多いだろう。
次にやることは、今回の反省を踏まえて「withコロナ下での持続的な社会」をもう一度描き直し、それを実現していくことである。