楽器が壊れた。
でも使用を急いでいる。すぐにでも使いたい。でも楽器はレンタルでも結構高額で、貧困若者の自分にはそう簡単に代替品を用意できない。
楽器店の店員は簡単な修理なら店頭でも受け付けていると言って、器具を取り出した。
けど十数分程格闘した後、「これは店頭では無理だから修理センターに送らないといけない」と言った。
本音はすぐにでも使いたいのだが、他のタスクを先に回す事で少し楽器が必要な作業を後回しにする事も出来た。
しょうがないのでそのまま修理を依頼した。
「もう既に返して欲しいのだが」という気持ちを胸にしまって修理を頼んだ。
今返してもらった所で使えない状態だし、自分では直せないのだから、今はおとなしく10日待って返ってくるのを待つしかない。
10日が経った。連絡はなかった。
まあ、連絡の行き来や物の行き来の都合はある、数日の遅延ぐらいはあるだろう。
15日が経った。連絡はなかった。
もうヤバい。時間がない。預けたあの日からもう3週間は経ってる。
「使うので返してください」これは自分の都合だから、お店に押し付ける事ではない。
でも「10日って言ってたアレ、今どんな状況ですか?」は聞く権利があるだろう。
それで18日が経った朝、連絡を入れた。システム経由でメッセージの送信をした。
自分「10日で仕上がると聞いておりましたがその後いかがでしょうか?」
いや混雑はそりゃしょうがないけどさ。修理担当の人に遅くまで残業しろとは言わないよ。
でも連絡ぐらいしたらどうなのさ。急いでるから最短メニューでってこっちも言ったじゃん。
クレームをつけるのは目的ではない。それよりも今はもっと建設的に、次の事を考えよう。
あとはちょっと代わりの楽器レンタル出来ませんかとかも聞きたいな。
自分「それはいつ出来るのか見通しも立たない状況という事でしょうか。急ぎの用があるので、もしまだ時間が掛かるようなら代替のものをお借り出来ないでしょうか。」
暫くするとメッセージの返信があった。一緒に知らない携帯の番号からの不在着信があった。
店長「大変申し訳ございません(略)申し訳ございません。(略)この度は大変申し訳ございませんでした。 店長」
店 長 名 義。
そして分かった。さっきの不在着信はお店から来た「謝罪のお電話」だと。
接客業において店長の出現は厄介客をなんとかして穏便に抑えようモードだと、接客業バイト経験のある自分は知っている。
自分は完全にクレーマーとして店に扱われているという事が分かった。
電話はもう一度鳴ったが、自分がどんな気持ちになるか想像がついたので出ない事にした。
確かに本来の期日を1週間以上ぶっちぎったお店は悪いし、それを不愉快に思ったのは事実だ。
それでも自分はただ建設的な会話がしたかっただけだった。謝ってほしい訳じゃなかった。謝罪じゃなくて楽器を調達したかっただけだ。
でもあのメッセージ欄には「申し訳ございません」が続くばかりだった。
……さてその楽器だが、「本日修理が終わって明日には受け取れる」のだそうだ。
これが「偶然にもその日修理が終わりだった」のか「クレーマー対応の為に都合をつけて優先して行ってくれたのか」は定かではない。
どうしたらクレームっぽくなくお店に提案や交渉が出来るのだろうか。
どうしたら店長謝罪ラッシュではなく、もっと建設的な会話が出来たのだろうか。
自分はどこで間違えたのか。
乞食は死ね
ゴミ製造機を修理するな
増田の言い分を読むだけでは期日に関して意思疎通が十分に行われて双方合意しているようには思えない