ゴールデンウィーク真っ只中の雨降りしきる水曜日、賑やかな街で仲間と店を探しさまよった。まさか自分が終電逃すとはつゆ知らず、はやくお酒が飲みたかった。
事の発端は学生時代の仲間から飲みに誘われた。参加者は誘われた子、女の先輩、自分、そしてもう1人。仮名で大阪くんとしよう。
大阪くんとは三回生の時知り合って、大阪くんが関西で就活してるときに遊びに行ってコーヒー奢ってもらったり関東に来たら久しぶり〜ってご飯を食べに行く仲だ。
自分がいたコミュニティの中では仲が良い、まあわりにまめに連絡をとってる方かと思われる。
去年の冬ごろの学生時代の仲間数人での飲み会でも会った。恋人がいる人のノロケも聞きつつ、どうやら大阪くんは彼女とうまくやりとりできていないとのことだった。喪女自分は呑気にバレンタインの話などしてた。
件の飲み会である。学生時代からのウェイ友なので気を許してガブガブのんだ。自分はつまんない会だと間が持たず飲みすぎるのと、好きなメンバーだと楽しくなっちゃって飲みすぎる極端な癖がある。策士は私を飲みに誘った子のような気がして疑うのをやめられない。なぜか大坂くんは結局冬の時の彼女と別れたらしい。気のおけない気配りをする子であることを知っているが、自分の杯の空きをみてやたらお酒を注がれた。
お会計の後店を出たあたりでフラフラ歩いている時の記憶と、電車移動中大阪くんがずっと話しかけてくれながら自分は吐きながら(都民の皆様ごめんなさい)どこかにたどり着いて苦しい洋服を着替えていたような音声の記憶がうっすら。あとね道中英語話してる人にフレンドリーに絡まれていて「えー彼女大丈夫なん?」みたいなこと話しかけられてたわ。
そして目が覚めた時には大坂くんが横に寝ていて、かなり頭痛が痛かったがどうやら自分の服の下の体がさわられていたようだった。
引き続きまさぐられるつつ表情をさぐりつつ寝ていたのだが朝。自分のアラームが鳴ったので、消そうと床から這い出した。
吐瀉物がついた自分のシャツはいつの間に洗濯されておそらくたぶんアイロンもかけてくれていたようだ。感謝。
なんも考えんと再びベッドに戻る。すると彼が
「目覚ましなった?」
「うん」
「ううん大丈夫」
救命措置よろしく意識の確認が行われた。そのまま絶妙な距離を取りつつうとうとしかけたら、西・大坂の必殺上手投げをかけられた。
その後からはずーっとずっとお互い無言での取り組みだった。東・喪女は手も足も、であった。次から次へと掴まれるたびびっくりの連続であった。
昨夜からのフラストレーションを爆発させる善意の前戯だったが、東・喪女の体が大坂力士の挿入をかなり手こずらせたようであった。
初試合だったが相手との長年ん付き合いから緊張せず意識して深呼吸を保っていたため痛さは気にならなかった。
しかし試合後に履いたふんどs…下着には血が出ていたので越えるものを超えたのだという感慨が残った。
横綱を目指すでもない東・喪女は「ワタシたち付き合う?」という会話もふっかけることはなく。
どきまぎしながらゴミ箱に打ち捨てられたコンドームを横目に大坂部屋をあとにした。
「着て来てたパーカー忘れてるよ」
とのこと。