2019-03-05

弟の財布がバリバリだった。

彼氏の財布がマジックテープだったっていうボカロの歌が流行った時

三十路の弟とご飯を食べに行って割り勘した。

会計でナ○キと大きく書かれたナイロン生地の財布をだして

バリバリって開けるところを見て

こいつは、ヤバいぞ、と思った。

会計が終わって街をぶらつきながら、財布買ったら?ってやんわりとすすめた。

弟は少し気難しいところがあって、へそを曲げると意地になってしまうところがある。

なので、①気に入っていて使っているのか、②買いたいけど財布を選べないのか、③ケチなのか

そういうところを少し遠まわしに聞いていった。

ケチが正解だった。

単純に買ってやろうと思った。季節は今頃と同じ春だった。

前にも書いたが弟はケチで、給与は安いが実家暮らし正社員だった。

余ったお金はすべて貯金する。貯金趣味というやつ。

人にお金を使わせるのも嫌い、施されてるみたいだから嫌なんだそう。

なので、私がただ財布を買ってあげても受け取らないだろうことはわかった。

こだわりは強いけど、財布とか服とかの好みは無いのは知ってる。

成人しているから、結婚式とかそういう場にも呼ばれて行ってるはずだった。

それなのに、今までバリバリの財布出してたのだろうか。

妹は年頃になったらおしゃれに気を使いだして、私が何も言わなくても

流行りの服を買い、流行りのメイクスタイルになっていた。

私は女子高生女子大生時代喪女として過ごしていたが、

社会人になった時、面倒見のいいギャル友達になった。

面倒見のいいギャルは私に服の選び方や買い方、メイクの仕方を教えてくれた。

今思うとすげえダサい喪女と歩くの恥ずかしかったんじゃないのかなと思う。

私はギャルにはならなかったけど、メイクとか服を選ぶ楽しさは覚えたので、

自分なりに更新して好きな恰好でそれなりにみすぼらしくない恰好をしてる。

弟はこういう面倒見のいいギャル友達みたいな子はいなかったんだろうか・・・

弟の友達に毎週BBQをするような男友達はいるにはいた。

ただ、弟下戸インドアだった。毎日ニコ動YouTube見るのが好きっていうやつだった。

母も父も使えるんならいんじゃない?というタイプだった。

特に父も弟と似てて、あんまり物に対するこだわりがなかった。

いかん、と思って財布を買った。

あんまり高価なのは買えない&高い財布を持ちたがらないので、

1~2万円くらいで革製で長く使えそう、そこそこな高級感がある。

長財布はポケットに入らないので使わなさそうなので折り畳みのやつ。

なんとなく入ったコ○サにちょうどそういう条件を満たすものがあった。

予算的にもちょうどいい。

それを購入してプレゼント包装をしてもらった。

購入したあと、まだプレゼントは渡さず

弟には妹の誕生日プレゼントを買うのでいくらか出してとお願いした。

ちょうど妹の誕生日が数日後だったので、妹の誕生日プレゼントを毎年買っていたことがある。

弟はケチだけど、そういうお祝いごとは出してくれる。

ちなみに今までは弟には、何をあげても無駄遣いといわれるので好きな食べ物をあげてた。

そして、誕生日のせまった妹にも弟の誕生日プレゼントを購入したのでいくらか出してとお願いした。

弟の誕生日は数か月前に過ぎていて、毎年妹の誕生会の時に渡していたからだった。

妹の誕生日をお祝いする時、実家で集まってご飯をたべる。

なぜか成人してからよく集まるようになった、子供のころはしてなかったのに不思議な話。

弟の誕生会は弟が嫌がるのでしないでプレゼントだけ渡すが、妹の時はケーキを用意して食べる。

その時に、妹と弟に一緒にプレゼントを渡した。

弟のリアクションはあまりなかったと思う。

食べ物じゃないんだみたいな、ことは考えてそうだった。

妹が財布をみてノリ良く褒めた「へー、革の財布いいじゃん。良いねー、格好いい。使ってねー」

特に財布にするとか言ってなかったのに、妹よありがとう

妹が褒めたことで弟が気を良くしたみたいで少し照れた感じで

「へへ、いいじゃん」みたいに言ってくれた。

良かった。姉の使命は果たせたって思った。

翌年、弟が父にせっつかれていった地元婚活パーティで、嫁になる人を見つけた。

さらに翌年には子供も生まれた。

弟は新しい家族行事に新しい財布を使っている。

弟はケチのままだし、恰好特に気を使っていない、髪だって自分で切ってる。

でも、財布買ってよかった、ありがとうコ○サ。

あの無難なかんじが本当に助かりました。

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