俺は自分の顔がかっこいいと思っている。そしてそんな自分が気持ち悪くて仕方が無い。
これから、そうなっていった過程の話をする。それが良かったとか悪かったとかの話ではない。過程の話をする。要するに、自分の過去をだらだらと綴る。
俺は小さい頃、具体的には中学にあがる前後くらいまで、親や周囲にかわいいかわいいと言われてきた。そして俺はそれを「自分の顔がかっこいい」のだと解釈していた。わかっていると思うが、一応言っておくと俺は男だ。
幼稚園の頃、俺はモテていたらしい。幼稚園の頃の記憶などほとんどないが、お前はモテていたと親から聞いた。
そして、小学校にあがったとき、俺は全く、微塵もモテていなかった。なぜか。それは、俺がかっこつけていたからである。
俺が運動が苦手だった。そして、泣き虫だった。ついでにいえば、性格が暗かった。そのくせ、妙なところでかっこつけていた。なぜかっこつけていたかというと、この頃からすでに自分の顔がかっこいいと思っていて、顔がかっこいい奴がかっこいいことをすればそれはとてもかっこよくなると思っていたからだ。
妙なところというのは自分でも説明しがたいのだが、具体例をひとつ挙げるとすれば、昼休みに朝礼台の階段をかっこつけて上り下りをしていた。何を言っているのかわからないと思う。自分でもこの行動はほんとうに意味がわからない。なんかそれがかっこいいと思っていたのだ。要するに、俺は小学校の頃からキモかったということだ。
中学にあがった。その頃俺は泣き虫な自分が嫌いで嫌いでしょうがなかった。さすがにまずいと思った。このままではずっと馬鹿にされて生きていくことになると思った。顔がかっこいいのに泣き虫だからずっと馬鹿にされて生きていくことになると思った。そしてどうしたら泣かなくなるか考えた結果、俺は周囲の刺激から守るため自分の心に蓋を被せた。自分が傷つかないように、心の感覚神経を鈍くした。ように自分自身に見せかけた。そんなことはできるはずがない。めちゃくちゃ強がって周囲の刺激が、人に言われた嫌なことが心に響いていないフリをした。この話はあまり関係ないか。脱線してしまった。
高校にあがった。入学当初、俺はモテた。小中学校はほぼ変わらない面子だったが、高校では俺のことを知っている人間が少なかった。だからモテた。なんかクラスの女子からやたら話しかけられた。気持ちよかった。これがモテるということかと思った。だが、二学期にもなればそれは冷めた。授業中も休み時間も机に伏せている男には、いくら顔がかっこいいといえどよって来る女の子はいなかった。当たり前だ。あと、俺はモテたいとは思っていたが、顔がかっこよければなんとかなるとだけぼんやりと思っているだけで、女子と(男子でもそうだが)うまく話せるでもなく、自分から女子に(というか人に)寄っていけるでもなく、モテるためのなにかしらの努力をするでもなかった。
この「顔がかっこよければなんとかなる」という考えはモテるということに限ったものではなかった。人生に対してもそうだった。俺は顔がかっこいいから人生なんとかなると思っていた。紛れもないバカ。何も考えていない証拠である。一応言い訳しておくと、全面的にそう思っていたわけではないが、心の隅にこの考えが常にあった。そして、だいたいこの中学高校あたりから、客観視というものが大分できるようになっていったので、「自分の顔がかっこいいと思っている自分」が気持ち悪くて仕方がなくなった。
大学。バイトを始めた。ミスをしまくる。仕事が全く覚えられない。顔がかっこいいことはファミレスのホールに全く役に立たない。非常にバカな話だが、バイトのときも、心の隅に「顔かっこいい」の考えがあった。結局店長に怒られまくって2ヶ月でやめた。その後もいくつかバイトをしたが、どれも長続きせず、大学生活後半は全くバイトをしなかった。勉強もあまりしなかった。
そんなこんなで今に至る。書いていてすごく恥ずかしかった。自分でもよくこんなことやったなと思う。何回顔がかっこいいって書いたんだ。語彙力の無さを実感する。
ここまで読んでわかったかもしれないが、俺には自分の顔がかっこいいと思っていること、すなわち、自意識過剰が過ぎること以外にも多くの人間的な問題がある。そしてそれは仮に自分の顔について何も思わなくなったとしても解決するわけではない。現在俺は一応就活中の大学4年生だ。が、今はそんなことをしている場合ではない。している場合といえばしている場合だが、今はそれよりもやらなければいけないことがある。俺は変わりたい。自意識過剰をどうにかしたい。誰かアドバイスをください。あとよければ自意識過剰以外の問題のアドバイスもください。お願いします。
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