2018-06-14

いま日本アカデミアのある界隈で起こっている悪循環

アカデミアにいるわけでもない人間酔った勢いで吐き出すので,間違っていたら寧ろ積極的否定してほしい.

今年度の科学技術白書話題を集めている.ブコメでは金がなくて雑務が多いんだから当然だという指摘が多くて,その指摘はある程度正しいように思える.僕は企業研究者だけれども,実際に日本大学先生方は(その分野の権威であっても!)たった100万の研究費を出すだけでもとても良くしてくださるし,100万円ぽっちにそれだけ頑張らないといけないのだから当然のごとく忙しい.(海外大学研究100万円なんて言ったら門前払い.少なくともその10からスタート

じゃあ国がもっとお金を出すようになれば技術力の低下が解決するのかというと,少なくとも自分がいる分野ではその段階を超えつつあるのではないかと思っている.一昔前に話題になったポスドク問題の印象で,金を出してポストを増やせば論文数が増加すると思っている人はそれなりにいるのではないかと思う.しかし今,僕がいる分野では寧ろアカデミックポストが余っているらしい.ポストは減っているのになぜそれが余るのか.答えは簡単で,アカデミック人材がそれを超える勢いで減っているのである.僕がいる分野では,文科省の狙いが成功したのかたまたまなのか博士卒が多く民間企業就職している.民間企業就職すれば給料は多いし,なによりも期間の定めなく働ける.研究自由にできないかもしれないが,大学にいても文科省様のおかげで好きな研究ができるわけではない.そして育てても育てても企業流出し,そして更に企業への就職志向が強まる悪循環によって,僕の観測範囲では博士新卒の6〜7割かそれ以上が企業就職している.

まりいまお金を多少投入されてもこの分野ではその研究費を投入できる人材がいない.企業から呼び戻せるほどの給与と安定したポストを用意できるだけの長期間かつ大きなの予算が与えられれば別だけど,流石にそれは現実的ではないだろう.ポスト空洞化がこのまま進めば教える人がいなくなるので,日本でこの分野はそのうち滅びるのかもしれない.博士卒の人材就職したこと産業界根付きつつある技術も,人材安定的供給されないのでは滅びるだけだろう.企業博士人材流出するのは一部の分野だけだから大丈夫!寧ろ殆どの分野では企業への進出が進んでいない!と主張する人もいるかも知れないが,そもそもそういう分野は博士取る人が減って同じ結果になるんじゃないかと思っている.

大学改革選択と集中必要だろう.でも日本エリート教育の根幹を支えるアカデミックポストの魅力を大幅に引き下げてしまったのは大きな失敗ではないかと思う.そりゃあ腹芸が得意な役人にとって大学先生方は扱いやすかっただろうけれども,日本の根っこを支えている人たちであるという敬意を失ってはいけなかったんじゃないだろうか.少なくとも研究計画説明中に寝てんじゃねえよ.

  • 最後のすこ

  • 人文系には羨ましい話 ま、人文系は民間という枠がそもそも古来僅少なのだが

  • ブレインドレインの深刻化に気づいていない人間が私利私欲を満たすためだけにお金使ってるからしょうがない。 優秀な人はシリコンバレーやインド、モスクワなんかにお金と環境を与...

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