2018-01-07

ポプテピピック面白かったから褒め殺しする

 ネットだとクソアニメという評価が多いポプテピピックなんだけど、俺としては今季四天王に入れてもいいぐらい面白かった。だけど覇権はない。他のアニメが強すぎる。

 俺がポプテで一番良いと思ったのは、パロディをちゃんとギャグにまで持っていってることだ。

世の中にはパロディになってそうでパロディになってないギャグもどき結構多い。有名なものをただ並べてその場に放置して満足している作品だ。でもポプテは違う。有名なネタをパクってきてそこから更にもう一段階加えることで見てる側に次に何が起こるのかを完全には予想させない。つまり、予想していた展開とは違うことを起こして笑いを誘っている。これはマジメにギャグをやっているという事だ。ただ他作品ネタを横に並べただけの怠慢ではない本物のパロディだ。それをやっていることは評価すべきだ。

 もう一つ特に評価したい所がある。それは1つのネタに執着しないという事だ。最初のアレを除けば、大体が1ネタ1分未満で切り上げ次に向かっている。とにかく早い。この執着の無さは大事だ。ギャグには鮮度がある。そしてその寿命は短い。無理に引き伸ばせばアッサリ死んでしまうのがギャグだ。間延びした声で叫び続けてる芸人がつまらないのもこのせいだ。ギャグの良し悪しにキレという言葉が使われるように、終わったネタは切り上げて次へ次へ行くのが理想だ。そしてポプテはこの理想の通りにギャグアニメが出来ている。これに対して、「節操がない」「5分アニメでいい」「なぜ30分枠を?」という気持ちになる人も多いだろう。俺も同じ気持ちだ。5分アニメで十分だ。だがこのアニメは30分枠でやっている癖に、5分アニメと同じアクセルの踏み方をしている。そこが凄い

そして最後アニメでやらないと出来ないネタをやっていることだ。声優変更のアイディアはまさにアニメ化ならではだ。同じアニメを別の声優がやったらどうなるかを見れる作品なんてそうそうはないだろう。その貴重な体験が出来るという部分においてポプテは他にない魅力があるといえる。最初から15分枠にしろとはまさにその通りである。だが、見たくないなら15分だけ見て残りは見なければいいのだ。ちなみに私は、来週からは2日に分けて見るつもりだ。一日に二度見るのを何ヶ月も続けるのはキツい。

 そして、誰もが一度はテレビの電源ボタンに手を伸ばした最初茶番劇。アレも何気にアニメならではだ。最高にクソつまらなくて、15分が終わってもう一度見せられた時はあまりの苦行に懲役5分×2という実感しか沸かなかったアレだ。マンガであればページをペラペラめくって飛ばししまいそうな光景がダラダラと続くあの地獄。だがこのネタをただクソなだけと切り捨てるのは早計だ。あのクソアニメっぷり、期待出来なさ、間違って変なアニメを見てしまったという後悔、今すぐ切ってしまいたさ、その全てが深夜アニメでお馴染みの感覚だ。深夜アニメを毎クール20本以上見ている人なら年に5回はこの感覚を味わっているだろう。名作だけを選んでみてきた人でも、涼宮ハルヒの1話を見た時の感覚を思い出して欲しい。どうだろうか。あの絶望すら心に流れ込むようなつまらなさとテンプレに対するうんざりっぷり、まさに完璧再現されていたとは思わないだろうか。

 ポプテのアニメアニメ化するという事をよく理解している。視聴者が完成品のアニメを見てどう感じるかをキチンと分かっている。分かっているからこそ、テンポのいいギャグも出来るし、苦行でしか無いクソアニメも作れる。視聴者スタッフの手の平から逃れられないことを突きつけてくるようだ。この挑戦的な態度、実験的な作風、そしてそれに見合うだけの実力。ポプテはもっと評価されるアニメだ。

 書いたぞ!人質解放し……………………

  • マーティ・フリードマンさん人質は別のアニメですよ

  • 同じアニメを別の声優がやったらどうなるかを見れる作品 彼岸島Xだな あれもポプテピピックと同じベクトルでクソさに挑んでいたと思う

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