2017-12-23

本気愛卒業作文

ずっと「失恋したい」って言ってた。ちゃんと振られたい、踏ん切りをつけたいって。

 

失恋』って「相手自分を思ってくれず、恋をあきらめなければならない状態になること」って意味らしい。振られなくてもいいのなら、私は今から失恋する。ずっと願ってたことなのに、やっぱり自分から捨てるだけじゃ実感が湧かなくって、それでもちょっと泣いてるから、本当は湧いてたりするんかなあ。

 

まだ大人じゃないけど、もう子どもでもない、そんな歳になってからアイドルに恋をしたからタチが悪い。

根っから恋愛体質で、大学に入るまでアイドルオタクだったことは1度もなかった。死ぬほど好きだった元彼を忘れるための次の恋の相手アイドルで、初めての自担となった。

彼を好きになって4度目の冬がきた。担歴としては短いのかもしれない。だけど、片想い歴としては長いと思う。彼への気持ちが恋じゃない日なんて1度もなかった。

 

毎年のように熱愛報道が出た。なるべく情報を入れないようにしていても、毎回吐きそうな思いをした。好きじゃなくなるなんて無理だった。片想い相手彼女がいると知ったとき気持ちと同じだ。望みがあると思ってるわけでもないから、諦めるという感情がピンとこなかったし、彼女いても好きなもんは好きやしなあ……と、好きじゃなくなることを諦めている節もあった。

 

これは私のイメージだけど、「結婚してくれないなら別れる」と彼女に言われたとき、彼はどうしようかなって悩むような人だと思っていて。またそんなところが好きだった。だってアイドルとして好きなわけじゃないから。そこで女を選ぶかもしれないと思えるところ、私が彼女だったらめちゃくちゃ嬉しいもん。

ドツボにハマったと思った。もうどうしようもない。

 

からデマだと思っているけど、熱愛報道があった人との結婚の噂を聞いたとき、頭が真っ白になって、でもどこかで(これで終われるかもしれない)と思う自分がいた。

本人が「結婚します」って話してくれたら、さすがに今度こそ諦めがつくんじゃないかなって。

そうか、私は諦めるきっかけがほしいんだと気付いたのもこれだった。

いつから楽しくなくなったのか。

まりにもビジュアルがいいと好きが募りすぎてしんどくなったし、好みじゃない髪型だと、やっぱり顔はタイプじゃないのになんでこんなに好きなのかってしんどくなった。彼について知っている本当のことなんて顔しかないくせに。

ドラムを叩く彼は見たいけど、コンサート絶対に付き合えないと思い知るためのイベントだった。ファンとして構ってもらいたいわけじゃないかファンサが欲しいという感情も湧かない。むしろアイドルファンとしての線をはっきりと引かれる行為から、手を振られたら終わりだと思っていた。

そんな自分が嫌いだった。私も、彼のアイドルとしての仕事を楽しみたい。別グループをかけもちしているから、アイドルとして大好きな自担コンサートがどれだけ楽しいものか知っている。

「俺はコンサートが好き。みんなもそう思っていてくれたら嬉しい」

と彼が言った。ごめんなさい、とまず思い、だけど、彼から見ればただのファンの一人である私がなにを思っていたって、彼にはあまり関係がないと思い至り、また苦しくなった。どこまでいったって結局、私はファンで、彼はアイドルで、それは私がこの想いをどう解釈したって変わらない事実から

勝手に好きになって、勝手想像して、勝手に盛り上がったくせに、勝手にしんどくなってこんなに陰鬱文章を残してるのは、本当に勝手な女だなって思うんだけど。あの時、絶対忘れたくないな、って思ってた私のキラキラとドロドロした感情も、いつか絶対忘れてしまう。当たり前なんだけど、この思いは、私が勝手に育んだだけの感情から

だけど彼を好きになった当時の私にとって、彼を好きになることは必要だったんだと思うから、忘れたくないと思って書いている。しんどかったけど、学んだことがたくさんあった。彼を好きでいることで、乗り越えられたこともたくさんあった。出会えた人もたくさんいる。きっかけが何だったのかは分からない、ただ単に時間解決してくれたのかもしれない。だけど、片想いを終わりにしよう、と決意ができたことも、好きになれてよかったと思えるのも、彼を好きだった数年間の自分がいたからだと思っている。これは自分への戒めです。

嫌だと抗ったって、結局のところ私は彼の「消費者」だったのだろうと思う。

さっきも言った通り、私が今、壮大な気持ちでこれを、この気持ちを終わりにするきっかけにするんだって決意したって、彼にはなんの関係もない。

それが正しいアイドルファン関係なのに、それを苦しく思ってしまうことに疲れた勝手疲れた勝手に好きになったのに、勝手に離れていくなんて、勝手だなと、誰も責めてもくれない。ただ、アイドル恋愛感情を持っていた厄介なオタクが一人いなくなるだけ。それすら、彼は知ることがないのだし、一生知らないでいてほしい。振られたかったけど、大好きな人に蔑まれるのはやっぱり嫌だ。迷惑で嫌われる存在になるくらいなら、やっぱり知られないままでいい。始まりは、好きな人が、私のこと好きになってくれたらいいな~なんて軽い気持ちだったのに。

どうしたって片想いで、よかったと思うこともある。

疲れたからこの気持ち放棄する、この選択が誰にも迷惑をかけない。本当に誰にも迷惑をかけない。私はただのオタクになる。長い長い片想い疲れたね。これからは、アイドルとしての彼に目一杯幸せにしてもらえるんだと思う。リア恋"枠"なことに変わりはない。自分の好きなように楽しめばいい。アイドルファンってそういうものだと思うから

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