※舞台『グランギニョル』がゴシックサスペンス劇であるということを知らずに観に行ったTRUMPシリーズファンの初見感想です。
ゴシックサスペンス劇だと知っていたら思わないような感想を並べ立てているけど…「作品ジャンルを誤認して観るとこうなる」悪い例だと思ってお許しください。
TRUMPシリーズのネタバレしまくるので、未見作品がある方は絶対読まないように。
まず重大なネタバレとして、『グランギニョル』はネタバレされてから観ると面白さが9割減の舞台だなと感じた。
私は『TRUMP』初見の時、TRUMPの力を使っているのが誰なのかを演出通りに把握しながら観ていたが、本作の本題は「TRUMPは誰かという謎解き」ではないと感じていた。
だからTRUMPの正体がバレバレでも問題無かったし、それを理由に本作をつまらないと評価するのはどうかと当時思ったものである。
『TRUMP』のメインディッシュは人間の魅力で、キャストの力で面白さが大きく変わる作品だと思う。
だから『TRUTH/REVERSE』システムが成立し、キャストを変え上演される度に魅了されてしまうんだろうなと。
で、今回の『グランギニョル』も、割りと早々に「あっ! コイツが裏切って殺しにくる担当なんやな!?」と気付く。それがなんと言うか…シリーズ内への布石や登場人物や接点が多すぎるせいで、作品のメインが人間ドラマよりも謎解きに置かれているように感じてしまい、主犯であることだけがバレバレなことに冷めてしまう。
要は、もっとキャラクターを絞って掘り下げてくれた方が、私の満足度は高かったと思ったのだ。
・信者の行為が神様にとっては全く無意味だったということ(『食物連鎖』『弱肉強食』のようなものではない完全な無駄死に)
・エンディング後、主人公は結局息子たちを守れない未来が確定していること(だからこそ、主人公が息子へかけた呪いの雑さ・弱さが割りと胸糞悪い。結局ダリの絶望や希求なんてその程度であるのに、そいつが主人公だったのが物足りない。もっと絶望が見たかった)
・ラストにゲルハルトが信仰を辞めると心の整理を語るが、ヴラド機関に入ることになる訳だから、ラストシーン直後に信仰していた神が実在していたと知る=つけたばかりの心の整理をひっくり返されるだろうこと(これは相当なショックだろうに舞台で描かれないから、観客だけが胸糞悪い想いをするので不満。発狂するような絶望と希望に壊れる姿が見たかった)
などにあると思うんだけど、それらが舞台上で描かれないのが物足りなかった。
ダミアンとウルの呪いが強そうだったから、グランギニョルの主人公であるダリを『グランギニョル』の主人公にするのではなく、グランギニョルの首謀者を主人公にしてピカレスクロマンみたいな感じにした方が、「TRUMPシリーズらしい面白さ」だったんじゃないかなぁ。
…って、『グランギニョル』のジャンルはゴシックサスペンス劇なのか…
↓を読んだ
http://www.tvlife.jp/entame/132145
正しくそうだった。なるほどな~
観劇後もずっと胸糞悪いもんな~全然スッキリしない。めちゃくちゃサスペンスじゃん…これがサスペンスかぁ~