こんな記事を読んだ
http://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/miwa04
初めに述べておくけど私は発達障害者だ。
発達障害ならではのどうしようもなさ、うまくいかないしんどさをかれこれ長い事味わってきた。
そうこうするうちに、なんとなく発達障害の人についてはピンときて、この人は自分と同類ではないのか?と鼻が効くようになった。
なったところで何も役に立ちはしないけれども。
発達障害と診断される人は年々増加の一途を辿っている。
というのも発達障害の診断基準がはっきりしてきたのはここ20年くらいのことで、それ以前に子供だった人はかりにその特性があったとしても発達障害と認識されなかったからだ。
そういう、ある程度年のいった発達障害の人はどのように生計を立てていたのか。
おそらくだが、小規模の小さな商いをひっそりとやっていたのではないか
小規模の自営業者であれば、調子が悪いときは商売を休むことも可能だし叱責してくる上司もいない。
ところで1990年には全国の自営業者は1395万人だったそうだ。これが2011年になると541万人へと減少する。(総務省調査)
この中の何割かは高齢化によるものであったと考えられるが、自営業者をとりまく経済環境が厳しいものへと変化したことを裏付けている。
資本力のとぼしい小規模の自営業者は不景気とか消費税だとかそういった変化のあおりに耐えられないのだ。
もちろん店主自身の高齢化などもある。地方経済の衰退にも原因はあるだろう。いずれにしろ減っている。
時代が進み、人々はより快適なオートメーション化された安価なサービスへと移行していった。
低級国民として働く人たちは、マニュアルの下で歯車になることを強いられる
悲しいかな発達障害の人は優秀な歯車になることができない。能力があまりにも凸凹すぎるからだ。
自営業者の人が1400万人近く存在したのは景気がよかったからだ。まわっているお金があったからだ。
少し年配の人なら「どこにも雇ってもらえなかったしラーメン屋でもやるか」という話はどこにでも転がっていたんだけど、
このところラーメンもどこもかしこもレベルが上がってとんでもなく敷居が高い。
人々は価格以上のサービスを当たり前と思い、提供されるものは質が高くなければ消費者は不満を言う。
安価で質の安定したサービスを提供するためには、ある程度の規模のシステムを構築する必要があり、それを個人商店に求めたら破綻してしまう。
そしてその安定したサービスのため必要とされるシステムには、凸凹の歯車は順応できないのだ。
こうして高齢フリーターの数や非正規労働者の数は増え、さらにsnepと呼ばれる呼び方が出現した。
やはりこういった弱者と呼ばれる層へ否応無く吸収されていったのだろうと推測する。
さて最初のところへ戻ろう。
ここの店主はおそらくなにがしか発達障害を持っているだろうなと個人的には思う。
自分も発達障害なのでわかるのだが、おもしろいことにその凸凹の部分を強烈に気に入ってくれる人が存在する。
発達障害に不具合を見いださず、いびつさを愛してくれる人が実際に存在するのだ。
地方都市にぽつぽつ存在してきた「やる気のない店主がいる汚い店」というのは、肩に力が入らず来るものをホッとさせるところがあって
私はこのような店が日本のあちこちに残っていて欲しいと思う。「そんなに頑張らなくていいよ」という無言のメッセージであるからだ。