特に驚きはなかった。「やっぱりな」という感じだった。
思い起こせば心当たりは膨大にあった。
診断を受けてから、いや、自分がアスペではないかという疑いを持ってからというもの
ずっとずっと努力して戦ってきた。つもりだった。
でも、もう疲れてしまった。
子供の頃はよく親に叱られた。
曰く「なぜ人の気持ちを無視するようなことを言う」「なぜ言わないと行動できない」など…。
小学生はある程度いた友人も、中学、高校と進むにつれ離れていった。理由がわからなかった。
運動神経が悪く体育の時間はいつも憂鬱だった。体育祭を仮病でブッチ切ったこともある。
高校の頃、2chのアスペ叩きスレでアスペルガー症候群の存在を知った。
その症状があまりにも自分に合致しすぎていて強いショックを受けた。定型から蛇蝎の如く嫌われる存在であることも知った。
ショックのあまり3ヶ月位引きこもった。その後何とか立ち直って登校再開し、高校は卒業できた。
自分が変な病気であることを認めたくなかった。また、良くない事柄を病気のせいにするのは情けないことだとも考えていた。
そして社会人になりたての頃、まだアスペ疑いだけを持っていた頃は、とにかく同僚・上司に気に入られようと必死に頑張った。
仕事を覚えビジネスマナーも学び、自分なりに友好的な対応をしたつもりだった。
ダメだった。上司が自分のことを「殺したい」と漏らしていたと知った時はとてもショックだった。
そこまでの感情を抱かせるまでのことを自分はしてしまったのだろうか。そんなつもりはなかったのに。
そのしばらく後、冒頭の診断を受けた。
そしてアスペについて学び弱点を把握し、そこを補えるように行動してみた。
具体的な指示をもらるようにお願いしてみたり、迷惑をかけそうな人にカミングアウトしてみたりした。
ダメだった。上司からはしょっちゅう呼び出され勤務態度について注意され、下につけられた後輩はみんな辞めていった。
この辺りで自尊心は消えてなくなった。
「アスペである以上、他人に好かれる努力をいくらしても無駄。最終的には嫌われる」
「どうせ嫌われるのであれば、先にこちらから嫌ってしまっても構わないだろう」
「誰も信用するな」「自分も信用するな」
この思考に支配された私は最初の会社を辞め、転職を繰り返した。
その過程で、良くしてくれた人たちもいた。全て裏切った。どうせ嫌われていると思っていたから。
どう思われようと構わない、どうせ自分には価値がない。自暴自棄。
そのまま現在に至る。
この思考が間違っているのはわかっている。誰も得をしないのもわかっている。
自分が他人に不快感をまき散らすだけの害悪な存在になっているのもわかっている。
でも、では、どうすればよいのか。私はどうすればよいのか。
無駄な努力と分かっていて他人に好かれるような擬態を続けるしか無いのか。
もっともっと根を詰めて努力のレベルを上げていくべきなのか。甘えなのか。
努力しても評価されない。この病気は一生治らない。一生嫌われ者、変人扱い。
子供?アスペは遺伝するだろ諦めろ。障害年金?ちゃんと働けるだろ諦めろ。
諦めろ諦めろ諦めろ諦めろ諦めろ諦めろ諦めろ諦めろ諦めろ諦めろ諦めろ
一般的に伝わっている人並みの幸せの殆どを諦めて、それでも生きていかないと行けないのか。
辛い。苦しい。もう、疲れた。