2014-05-20

なぜ、アトピービジネスはなくならないのか

アトピー患者28年目の者です。現在も絶賛闘病中。

重症度は、慢性的に中等症。定期的な通院と薬の常用によって、

まあ普通の人と大体同じ生活できるかな、といった感じ。

幼少期に1度、寝たきりの超重症経験しています

昨日、NEWS23で取り上げられていた

横浜山口医院のニセ漢方クリームについて、

アトピー患者として、なぜこういうことが起こるのか考えてみた。

★感じたこと(前置き)

最低。今回の件は、とても悪質だと思う。

アトピービジネス」「アトピー商法」という言葉があるように

アトピーでガサガサの肌がつるつるになるよ!という謳い文句の商品

あちこちで見かけますが、基本的効果ないんですよ。当たり前だけど。

で、「あ〜…またダメだったか…」と、私たちは使うのを止めるわけです。

ただ、今回の件は、ステロイドが入っていたために、劇的な効果があった。

そりゃ、効けば嬉しくて使い続けますよ。これが本当に本当に悪質。

これで楽になる。子供を、家族を楽にしてあげられる。

そう思いながら塗ってきた患者さんやそのご家族の気持ちを思うと、涙が出る。

★なぜ、アトピービジネスはなくならないのか(本題)

いくつかの要因があると、私は思う。

①薬を使わずに治したい

アトピー患者は、薬を使わずに治したい気持ちがすごく強いと思う。

下記②と混同されがちだけど、私は、この気持ちは薬の副作用うんぬんとか、

そういうこと以前にあると思う。

皮膚にベトベト保湿剤や薬を塗るのって不快だし、なんとなく不健康な感じで

罪悪感がある。自然に反しているというか…悪いことしてるみたいな気分になる。

薬を使わずに済んだらなあ…と思ってしまう。

②薬が怖い

①と似てるけど少し違う。

今、アトピー治療に使われる主な薬(外用薬)は、ステロイド、あるいは免疫抑制剤

詳しい説明は省きますが、これらの薬は副作用もあり、使い方が難しい。

副作用出ないかなあ、怖いなあ、大丈夫かなあ、効かなくなったらどうしよう。

から副作用のなさそうな薬(のようなもの)や化粧品健康食品漢方薬などを

使ってみたくなる。

③薬の使い方が難しい

しかしたら②とほぼ同義かもしれないけど、ここでは分けます

医者の言うとおりに薬を使っても、なかなか効果が出ないこともある。

実際、私は今、結構悪化していて毎日身体に強めのステロイドを塗っているけど

ぱっとは良くならない。長年使ってきた慣れもあるし、汗が悪さをしているらしい。

良くならないと、「なんで薬使ってるのに良くならないんだろう…」と

不安になって、薬を使いたくなくなってくる。

④誰かの体験談

本やネット口コミ。あちこちで聞く、「誰かはこれで治ったらしいよ」という話。

根拠や信頼性がなくても、治ったと聞くと気になって、

自分ももしかしたら…と思ってしまう。

慢性疾患患者にとって「治った」というのは、麻薬みたいな言葉だなあと思う。

⑤外見コンプレックス

皮膚は全身を覆う、いわば外見そのものから

外見にコンプレックスのあるアトピー患者は多いと思う。

そんなことしてもどうにもならないのに、つい人の肌と自分の肌を比べてしまう。

周りの人は、何も塗らなくてもつるつるすべすべの肌。

自分は、何を塗っても治療しても、ガサガサかゆかゆの肌。

なんでだろう。どうにかして、私もつるつるすべすべになりたい。

この強い気持ちが、アトピーを治すためなら何でもやる!という変な行動力

つながっている気がする。

ちなみに、1000万円できれいな肌が買えるのなら、私は迷わずそうすると思います

⑥信じるって(良くも悪くも)強い

上記にいくつか書いてきた通り、アトピー患者治療に悩み、迷っていることが多い。

そのせいか、逆に、信じられるものができると妄信してしまいがちだと思う。

それが正しい情報ならいいけど、間違っていると…。

自分だけならまだしも、良かれと思って周囲の困っている人に勧めたりしてしまう。

悪意がないからこそ、タチが悪い。

医者と患者感覚ギャップ

アトピー患者は①②③⑤あたりのせいで、不安感が強いことが多いと思う。

(うつ病になってしまう人も少なくないらしい。)

から、できれば話を聞いてもらいたいし、わからないことを丁寧に教えてほしい。

ただ、医者からすれば、慢性疾患だし、ある程度症状がコントロールできていれば

あとはいもの薬を出すだけで、特別話もないのだろう。頭ではわかる。

わかるけど、不安が取り除かれないことによって、次第に

「この先生にかかっていても良くならないかもしれない」と思ってしまい、

病院を変えたり、薬以外のものに走ったりしてしまう。

最後

今回被害に遭われた方々が、良いお医者さんと出会い

治療が上手くいくことを祈っています

それから、同じアトピー患者のみなさん。

かゆみと不安との闘い、なんとかがんばっていきましょう。

アトピー患者は真面目すぎるらしいですから、ほどほどに。

皮膚科先生方、研究者の方々、今後ともよろしくお願いいたします。

未だに、偏見差別のある病気です。

この病気への理解が深まることを切に願います

  • 治療遍歴を治った人と交換すればいいのではないか?   たとえば、よく聞くのはビール酵母とビタミンAの組み合わせを服用する。(体質改善とか)

  • がんとか他の病気でも同じだね。 その中で治療中に説明でなんとか出来る可能性があるのは、①②⑦ぐらいかな…

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